コメ高騰でパスタの売上好調!日清製粉ウェルナ、2025年秋は“生パスタ製品”に注力

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株式会社日清製粉ウェルナの2025年秋新製品記者発表会が5日、都内にて開催。2025年秋に発売する新製品の説明のほか、コメ価格高騰の影響で変化したパスタ需要について語った。

コメ高騰でパスタの売上好調!日清製粉ウェルナ、2025年秋は“生パスタ製品”に注力

現在日本では、昨年より続くコメ不足と価格の高騰が社会問題となっている。さらに今年は例年以上の猛暑、そしてインフレの影響が食品業界を襲っているが、同社によると「パスタの売上は好調」とのこと。また、2025年春に、今年70周年を迎えるパスタブランド「マ・マー」をリブランディングした同社。ドジャースの大谷翔平選手を起用したCMは大好評で、大谷選手の本塁打数に応じてパンケーキを積み重ねる「SHO-TOWER」という画像投稿企画も話題に。売上に加え、そういった企画も消費者に受けているようで、会見に登壇した岩橋恭彦社長は「リブランディングの手応えを非常に感じている」と顔をほころばせる。

リブランディングした代表商品のほか、冷凍パスタ「RICH-NA」シリーズも順調に売上伸長。他製品よりも少し価格帯が高いのだが、20~40代の女性の支持を得ているそう。パスタは環境変化や生活者の多様なライフスタイルに適合する多くの価値があり、需要が拡大。主食としての存在感が高まっていることから、同社は「2025年秋は“生パスタ製品”に着目する」と発表した。

今回発表されたのは、家庭用新製品・リニューアル品数44品。常温・冷凍どちらも用意され、「乾燥パスタは調理が面倒」というユーザーのために開発された「レンジで2分 もちもち生パスタ」(常温)をはじめ、ソースに合わせて最適な麺の形状を選定した「もちもち生パスタ」(冷凍)、さらに上記で好評だと記した「RICH-NA」の新味のほか、同シリーズの“常温あえるだけ”の製品も展開されることが明かされた。

加えて「今期は家庭用だけでなく業務用製品にも力を入れた」と岩橋社長。業務用冷凍ワンディッシュパスタの新シリーズ「PASTA POLLUCE」は、人手不足の解決のために簡便調理できるとともに、おいしさ・本格にこだわった品質設計に。それも合わせて、2025年度新製品の年間売上は70億円を目標にすると力強く語った。

コメ高騰でパスタの売上好調!日清製粉ウェルナ、2025年秋は“生パスタ製品”に注力

なお今回、食品ロスとなるパスタに新たな可能性を発見して活用する「パスタデミライ」というプロジェクトを始動したことも発表。これまで、製造切替え時に発生するパスタの端材や輸送中の包装破損品など食品ロスとなるパスタは、飼料としてリサイクルしてきた同社。本プロジェクト第1弾となる「パスタデプラ」では、新たな活用法を提案。端材を粉末にし、プラスチック原料と混合・押出しすることで、通常のプラスチックと同等の強度を持つ製品(試作例/ハンガー、カトラリー、三角コーン、マグネット)へと生まれ変わる。

食品ロス削減に加え、化石燃料由来資源の使用量を抑えることができ、持続可能な社会の実現に貢献すると明かしていた。

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