2025年8月15日で終戦から80年を迎える日本。第二次世界大戦末期、ニッポン放送の本社がある東京・有楽町の東京宝塚劇場では、学徒動員で集められた女学生たちが“日本最後の決戦兵器”と呼ばれる「風船爆弾」の製造に従事させられていた。ニッポン放送では、製造の従事した元女学生3人の貴重な証言や元女学生たちが残した手記をもとにドキュメンタリーを制作。ナレーションは宝塚歌劇団出身の女優・黒木瞳が担当し、「風船爆弾」の事実や戦時下の女学生たちの想いや本音などを伝えていく。

明治大学平和教育登戸研究所資料館に展示されている「風船爆弾」模型(原寸:10分の1サイズ)
今から80年前、1944年~1945年の第二次世界大戦末期、追い詰められた日本軍がアメリカ本土を攻撃するために、太平洋沿岸から大空に一斉に放ったのが、“日本最後の決戦兵器”と呼ばれた大きな気球、「風船爆弾」だった。和紙とコンニャク糊で貼り合わせた風船に爆弾などが吊り下げられた「風船爆弾」の製造には、10代の多くの女学生たちが動員され、それがどんな兵器になるのかについて殆ど知らされず、ただ言われるがまま作業に従事していったという。

当時の女学生の集合写真
ニッポン放送の本社がある東京・有楽町の東京宝塚劇場をはじめとする全国各地で製造され、終戦直前、幻のように消えていった「風船爆弾」。それが決戦兵器であることを元女学生たちは戦後何十年も経ってから初めて知ることになった。10代という青春真っただ中、純粋に「お国のため」にただただ懸命に決戦兵器を作り続けた女学生たちが見た戦争とはどんなものだったのか。また、戦時下を生きた女学生たちの当時の想いは……。

元女学生の皆さま
戦後80年、昭和100年、さらに国連が「国際女性デー」を提唱して50年の節目となる2025年、「多感な青春期に、彼女たちは何を思いながら決戦兵器を作っていたのか?」をメインテーマに、当時の女学生の視点から先の戦争について考えていく。有楽町の東京宝塚劇場で「風船爆弾づくり」に従事させられた元女学生3人の貴重な生の証言や元女学生たちが残した手記を柱に、当時の女学生の視点から先の大戦をひもとく一方、現役の女子学生の戦争に対する見解なども含めて「平和を維持していくために何をすればいいのか?」という問いや学校での平和教育の在り方などを考えていく。
番組では、宝塚歌劇団出身で、現在ニッポン放送の朝の番組『黒木瞳のあさナビ』でパーソナリティを務める黒木瞳がナレーションを担当。ナレーションとともに、東京宝塚劇場の戦時中の知られざる歴史に対する想いなども語っていく。
ニッポン放送 戦後80年特別番組『有楽町・女学生の戦争~劇場で作った風船爆弾~』は8月10日(日)25時40分から放送。
■黒木瞳コメント
この度、「有楽町・女学生の戦争~劇場で作った風船爆弾~」のナレーションを担当させていただくことになりました。
私がパーソナリティを務める「黒木瞳のあさナビ」の収録スタジオがある、東京・有楽町で、また、私の古巣である東京宝塚劇場もある有楽町で、かつて終戦間際に女学生が「日本最後の決戦兵器」を作っていたという事実に驚きました。
戦後80年を迎え、当時の女学生の貴重な証言は、今後も平和のために語り継がなくてはいけないと思います。
一人でも多くの方に、このドキュメンタリー番組を通じて、真実を知っていただきたいです。
心を込めてお届けしたいと思います。ぜひお聴きください。
【番組概要】
■番組タイトル:ニッポン放送 戦後80年特別番組「有楽町・女学生の戦争~劇場で作った風船爆弾~」
■放送日時:2025年8月10日(日) 25時40分~26時40分放送
■出演:水谷玉枝(麹町高等女学校・元女学生)
長谷川富子(麹町高等女学校・元女学生)
下津佐泰子(麹町高等女学校・元女学生)
野坂雄介(麹町学園女子中学校高等学校教頭)
山田朗(明治大学教授、同大学平和教育登戸研究所資料館館長)
■女学生手記朗読:東島衣里・熊谷実帆・前島花音(ニッポン放送アナウンサー)
■ナレーション:黒木瞳