親族も圧倒される、金沢の誇り高い豪華な結婚文化!
公開: 更新:
日本に古くから伝わる「人の一生」にまつわる風習「冠婚葬祭」は、誰もが一度は通る、無くてはならない「人生の道標」のようなものです。「明日はもっといい日になる」(「上柳昌彦 あさぼらけ」内、毎週水曜日・午前4時40分ごろ放送)では、全国の聴取者の方からのおたよりをご紹介しながら冠婚葬祭の大切さをお伝えしています。

観光用に展示された「花嫁のれん」
(神奈川県茅ケ崎市・ゆうじさん)
30年近く前、兄が生まれも育ちも異なる金沢の方と結婚することになりました。結納は立派なお屋敷で両家が一堂に揃い、有名な花嫁のれんをくぐって、一連の儀式はまるでドラマのようでした。歴史ある神社で行った結婚式も素敵でした。金沢には「お道具入れ式」という伝統儀式があって、花嫁道具をみんなが見えるようにガラス張りのトラックに積み、立派な家具をより多くのトラックに積みます。1台より2台、2台より3台と、豪華に見せるのが習わしなんですね。女の子が生まれた瞬間から、お金の準備を始めるという話でした。私の両親は、東北地方の田舎から上京して、私は東京の西のほうの田舎で育って、私と両親は金沢の風習にカルチャーショックを受けました。兄は彼女と金沢にほれ込み、金沢に新居を構えました。
兄の結婚から2~3年が経った頃、私にも彼女が出来ました。付き合って1年が経った頃、彼女の実のお姉さんが結婚するので、引越しの手伝いを頼まれました。断る理由も無いので、喜んで彼女のご家族やお友達みんなで、幸せを願って楽しく引っ越しの手伝いをしました。それから数日後、何かの用事で金沢に住む、義理の姉に電話をして、話の流れから彼女のお姉さんの結婚で引っ越しを手伝ったと話したところ、「なんてこと、するの!神聖な“お道具入れ”を家族でもないあなたに手伝わせる。それはおかしなことよ!なぜ、そんなことをしたの!!」とものすごく叱られました。私、無口で温厚なほうなんですが、彼女の家族ごと、こちらの文化まで全部否定されて、義理の姉なんですが、さすがに頭に来ました。でも、反論することも出来ず、そのままになってしまいました。
金沢の「お道具入れ式」の文化を否定する気は全くないですし、地域の文化を大切にしてほしいです。ただ、あのとき、コチラ側の文化や思いも一歩も譲らず、完全否定した義理の姉の頑なな強い思いに、30年近く経って、たまに思い出すとちょっとモヤモヤします。でも、いまでは親戚の笑い話にもなって、職場の同僚や友人に話をすると必ず盛り上がるネタとなっております。

地域の風習の違いを乗り越えることにもつながった「神前結婚式」
結婚の地域の風習は様々ですが、毎年11月22日は「いい夫婦の日」です。11月は1年で最も多く「結婚式」が挙げられる月だと云われます。晴れる日が多く、多くの地域で極端に寒くもない地域も多く、祝日や連休が多いからだといいます。日本では明治時代の中ごろまで、両家と町内会などの共同体を中心に祝言(しゅうげん)を挙げて、花嫁行列を行う結婚式の形が一般的でした。大きく変わったのは、明治33(1900)年、当時の皇太子殿下(のちの大正天皇)が「神前結婚式」を挙げられてからです。じつは当時、結婚式も地域ごとに風習が異なるため、両家で揉めることも少なくなかったようです。そんな折、皇太子殿下のご成婚があったことで、一般の人たちにも「神前結婚式」への憧れが高まっていったというんですね。
ちなみに、「お見合い結婚」と「恋愛結婚」の比率が逆転したのは、1960年代のこと。直前の昭和34(1959)年には、「ミッチー・ブーム」がありました。テニスコートの恋、いまの上皇・上皇后両陛下のご成婚です。近代日本の「結婚」のカタチは、2つのロイヤルウェディングによって大きく変わっていった・・・そんな見方が出来るかもしれません。
いまでは、結婚のスタイルも様々になりましたが、やっぱり家族・親族が一堂に会して「結婚式」を挙げることは、お互いの絆をより深めることに繋がるのではないでしょうか。
「あなたのまちの冠婚葬祭・ある?ある!話」を教えて下さい!
「明日はもっといい日になる」では、聴取者の方の「あなたのまちの冠婚葬祭・ある?ある!話」をご紹介しています。全国の様々な冠婚葬祭にまつわるご当地ルールはもちろん、「冠婚葬祭」の行事で起きたハプニングや出来事、マナーなどの質問でも構いません。例えば、「結婚式の余興で披露した歌が語り草になっています」「法要で足がしびれて立てなくなってしまいました」といった、今では笑って話せるエピソードを添えていただけると有難いです。受付メールアドレスは ue@1242.com 。ぜひ冠婚葬祭について体験して「よかったなぁ」と思うこともお書きください。(※メールの件名は「冠婚葬祭」)
収穫に感謝する秋、家族が顔をそろえる年末年始、家族や地域とのつながりを考える機会は多いもの。改めて冠婚葬祭の大切さを再認識してみましょう。
【番組概要】
■番組タイトル『上柳昌彦 あさぼらけ』
■コーナータイトル:全日本冠婚葬祭互助協会 プレゼンツ 明日はもっといい日になる
■放送日時:毎週水曜 4時40分ごろ
■放送期間:2025年11月5日(水)~2026年1月28日(水)
■パーソナリティ:上柳昌彦アナウンサー
■番組メールアドレス:ue@1242.com

