開催2ヶ月で来場者数20万人突破!みほとけさんに聞く「運慶 祈りの空間ー興福寺北円堂」の見所

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東京国立博物館で開催中の特別展「運慶 祈りの空間ー興福寺北円堂」の見所について、お寺仏像研究家でお笑い芸人のみほとけさんに聞きました。三連休のおでかけおすすめスポットとして、ご紹介します。

特別展「運慶 祈りの空間ー興福寺北円堂」

特別展「運慶 祈りの空間ー興福寺北円堂」

こんにちは、浅井企画所属のピン芸人でお寺仏像研究家のみほとけです。本名の「みほ」と大好きな「ほとけ」を掛け合わせた芸名で活動しています。

現在、東京国立博物館で開催中の特別展「運慶 祈りの空間ー興福寺北円堂」は、“仏師・運慶の国宝が”、“東京でしか実現できない空間に揃って”、“大迫力で体感できる”奇跡の展覧会です。私も一部グッズのプロデュースで携わっています。開催は11月30日まで。残すところ10日を切りました。ぜひお見逃しなく!

みほとけ氏

みほとけ氏

今回展示されているのは、奈良・興福寺北円堂のために運慶が造った国宝の仏像7軀。開催2ヶ月で来場者20万人を突破しました。「たった7軀!?」と思うかもしれませんが、数ではなく“密度”で圧倒してくる展覧会です。

運慶は、平安末期から鎌倉初期に活躍した天才仏師。リアリティと躍動感、精神性を兼ね備えた表現力で、日本の仏像の可能性を最大限まで引き上げました。その集大成が興福寺北円堂の7軀であり、今回初めて東京で一堂に会しています。仏像のメンバーをご紹介しましょう。まずは四天王像。

国宝 興福寺蔵 四天王立像(増長天) ※報道向け内覧会にて撮影

国宝 興福寺蔵 四天王立像(増長天) ※報道向け内覧会にて撮影

展示室に一番最初に出会うのが、増長天像。私は思わず「うわ、すごい!」と声を出してしまいました。まるで舞台役者のようにポーズを決め、甲冑の細部には霊獣たちが躍動しています。後ろ姿まで拝めるのはここだけ。運慶仏に死角なし、とはこのことです。

国宝 運慶作 弥勒如来坐像(左)世親菩薩立像(中央)無著菩薩立像(右)※報道向け内覧会で撮影

国宝 運慶作 弥勒如来坐像(左)世親菩薩立像(中央)無著菩薩立像(右)※報道向け内覧会で撮影

続いて無著・世親菩薩(むじゃく・せしんぼさつ)立像。水晶をはめ込んだ玉眼により、瞳だけがうるうるとして熱を帯びています。拝んでいる私まで涙目になりそう。玉眼なのは全7軀このうちこの2軀だけ。思わず意味を考えてしまいますね。

国宝 運慶作 弥勒如来坐像(中央)世親菩薩立像(左)無著菩薩立像(右)※報道向け内覧会で撮影

国宝 運慶作 弥勒如来坐像(中央)世親菩薩立像(左)無著菩薩立像(右)※報道向け内覧会で撮影

そして本尊・弥勒如来坐像。仏像の中心に座して、刺さるような視線を送ります。弥勒如来像の胸のあたりをぼんやり見つめると、視界がふっと広がり、祈りの世界へ導かれたような感覚になります。実は胸の奥には「心月輪(しんがちりん)」という水晶が納められています。心月輪は仏様の悟りを表現するもの。

国宝 興福寺蔵 四天王立像(多聞天)  ※報道向け内覧会にて撮影

国宝 興福寺蔵 四天王立像(多聞天)  ※報道向け内覧会にて撮影

今回の展示は、興福寺でも実現できない並び方で再現されています。北円堂は普段非公開。さらに四天王像は別の堂に祀られているため、本来の“運慶がプロデュースした空間”では無くなっているのです。興福寺は1300年に及ぶ歴史の中で、数多くの火災に見舞われその度に再建されてきました。その混乱のなかで、四天王像は中金堂に移動してしまっていました。

しかし!今回の運慶展で、悲願の運慶仏再集結が、東京で叶ったのです。展示開始前には興福寺のお坊さんによる魂入れの法要も行われ、会場そのものが仏堂として息づいています。仏像に詳しくなくても大丈夫。説明がなくても伝わってくる迫力があります。展示室に入って数分後には、「たった7軀!?」という疑問は消えているはずです。

運慶展 図録

運慶展 図録

最後に展覧会グッズも見逃せません。文部科学大臣賞を受賞した公式図録は写真家・佐々木香輔氏による撮り下ろしで、普段見られない角度からのショットも多数掲載。学芸員さんの解説も充実しています。

心月輪丁シャツ みほとけコラボ商品

心月輪丁シャツ みほとけコラボ商品

他にも、私みほとけがコラボで制作した「目指せ慶派BODY!プロテインシェイカー」、写実性がうんと伝わる「証明写真風シール」、弥勒如来になりきれる「心月輪丁シャツ」、四天王像が書類を守護する「4ポケットクリアファイル」やプラ栞など、運慶仏の魅力を持ち帰れるアイテムが揃っています。

お笑い芸人の先輩 ロビンソンズ山﨑昇さん、芦沢ムネトさん 【報道向け内覧会で撮影】

お笑い芸人の先輩 ロビンソンズ山﨑昇さん、芦沢ムネトさん 【報道向け内覧会で撮影】

来場者数はあと少しで30万人。これは平成になってからまだ誰も到達していない記録です。歴史の目撃者になりませんか??オンラインチケットも便利ですので、ぜひ足を運んでください。

【展覧会情報】
特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」
会場:東京国立博物館 本館特別5室(東京都台東区上野公園13-9)
会期:2025年9月9日(火)~11月30日(日)
開館時間:9時30分~17時(入館は閉館30分前まで)
毎週金・土曜日、11月2日(日)、11月23日(日)は午後8時まで開館(入館は閉館の30分前まで)
休館日:11月10日、17日、25日
観覧料:一般1,700円/大学生900円/高校生600円

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