米パリ協定離脱で中国がリーダー宣言！？高嶋ひでたけのあさラジ！
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6/8(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！①
アメリカがパリ協定から離脱を表明する一方、協定を履行するという中国のエネルギー事情の実態
6:29～ニュースやじうま総研ズバリ言わせて！：コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
中国はCO２を排出し続けながら環境問題のリーダーになろうとしているトランプ大統領が地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を発表。米国に不利益をもたらすと非難し、自身の公約の実現を正当化した。アメリカ国内では離脱へ反対する声が多く、政権内部でも多くが反対しています。一方で中国はEUと協力して世界全体への責任を果たすとし、主導的な役割を担うことをアピールしました。
高嶋）トランプ大統領が、パリ協定の離脱を発表しましたが、アメリカ国内は企業と言わず都市と言わず、それから国民全体からも反対の声が多いのですよね。
山本）一部のトランプ支持の炭坑町の人は、「よくやってくれた」と言っているのですが、それでも反対の声はあるのです。
高嶋）トランプさんとしては、「自分の強力なコアになる支持者だけが賛成してくれればいい」と思っていたかもしれませんが、この機に乗じて、中国は「やる」と言っていまして。これがアメリカにとって、いちばんマズいことではないかと。
山本）中国は確かに「パリ協定をしっかりやります」という決意表明をした。「環境問題で世界のリーダーになる」と言ったわけです。これを聞いて「あれ？」と思いました。コレ、変なのですよ。中国はパリ協定に入りましたが、目標年は2030年。先なのです。中国は、「2030年に向けて、年々排出ガスが減っていくのだろうな」という印象で見ていたら大間違いで、2030年頃になったら減り始めるかも」というのが目標数値なのです。ということは、中国はCO2をどんどん排出しながら、世界の環境のリーダーのような立ち振る舞いをやる、ということです。
高嶋）中国はもう13年間もいい加減なことをやって。アメリカはその前もビシビシ、手枷足枷は冗談ではないと。この言い分は正しいのですか？
山本）逆説的に言えば、そういうことも通るかもしれないですけれど、いずれにしてもこれはよろしくない。しかも、トランプ政権が出てきてから貿易問題について「アメリカが第一だ」と言って、「保護主義の傾向に戻る」という政策を露骨に言ってTPPをぶった斬りました。そうした結果、今年の正月に中国は「保護主義に反対。我が国は自由貿易のリーダーです」と言ったわけです。
高嶋）あれは意外でしたね。
山本）意外なのですよ。中国は環境問題と自由貿易で、「ウチはリーダーだ」と。大変大きな顔をしているのです。これは全部トランプ政権がやってくれることの裏返しで、威張っちゃっているのですね。
これから先、アメリカは修正に入らざるを得ない
高嶋）環境問題でどうしても耐えられなかったら、「権利を売る」とかありますよね。そういうところでトランプさんは「何もわかっていないのでは？」という批判がありますけれど。
山本）多分わかっていないと思いますね。自分の支持者を見てやってしまっていることと、内政で何も成果が出ていない。この人がいままで「公約をやったぞ」と言っているのは、外国の政府を相手に一方的に言えば済む話ばかりです。TPPぶった斬り、今度のパリ協定の蹴飛ばしと。これはどこかの段階でアメリカは修正に入らざるを得ないと思いますね、もう少し先の話ですが。
今度は中国とインドがCo2排出国のトップになる高嶋）中国ですが、石炭の問題などはクリアできるのですか？
山本）石炭というのは安定した供給源なのですが、如何せん空気を汚す。中国はこれから、ガスの利用を増やすでしょう。これは間違いないですね。しかも、あそこはシェールガスも出ますので。一方で電源の比率で見ていくと、原発の比率がものすごく増えるでしょうね。それを考えるとたしかにCO2の排出は減っていくだろうと思うし、減らさないといけないのは間違いないのですが、「それでいいのですか？」ということです。中国はこのまま爆食、エネルギーを大量に食べながら経済成長をやった時代のようなことは、もう通らないでしょう。それは中国もさすがにわかった。ですが、安定成長と環境とのバランスを本当にわかっているかというと、これは、どうでしょうか。2030年くらいまで増えるということは、今度はアメリカではなく中国とインドが排出量のトップにおそらくなっていきます。その状態でアメリカが世界環境から抜けてしまうのは、あまりにも無責任な気がしますね。
高嶋）その無責任さというのは、トランプさんに反旗を翻す、そういう動きに通じているのでしょうね。
山本）通じていると思いますね、コレは。
