それにしても、何とかならないのか、とファンが嘆く現在の巨人。昨日のソフトバンク戦に敗れて、交流戦は3勝12敗で、最下位に転落しました。この体たらくを誰よりも心配しているのは、おそらく長嶋終身名誉監督でしょう。
元気がない。
が最近の口ぐせ。
6月、長嶋さんの動きが目立ちます。
4日、故郷の千葉県佐倉市の長嶋茂雄記念岩名球場がリニューアルオープン。
この日、開催されたイースタンの巨人-ロッテ戦では、始球式の打席に立ちました。これを取材しようと、訪れた記者が33社81人。
1軍と対照的に、はつらつとプレーした2軍選手に満足そうでした。
しかし、高橋巨人の感想を求められると、
ただ元気がない。難しい。野球は…。
13連敗を喫したことで、何かと引き合いに出されたのが、長嶋監督1年目の巨人1975年のシーズンです。
47勝76敗と球団創設以来、初の最下位、戦績が47勝76敗7分で、勝率が3割8分2厘と散々だったことを、誰もが記憶しています。
実は、監督に就任するにあたって、長嶋監督は、
V9のアカがたまっている。洗い流す。
と一大決心、
巨人軍維新をやる。維新を起こす。
と固く誓って臨んだそうです。
結果は、首位から27ゲーム差をつけられ、最下位。
ところが、そんな年でも話題性、観客動員などはアップしています。
口にこそしませんが、ミスターの胸に秘めた、密かな自慢のひとつ。
お客さまがあってのプロ野球は、長嶋監督の信念です。
話が前後しますが、岩名球場で、長嶋さんは、
やっぱり野球はいい。大好き。楽しい。
などと盛んに口に。
ぼくらは、テレビやステレオがなど、刺激がない時代に育った。雑草ばかりの高原で、ひたすらボールを追っていた。白球に向かって、みんなの心が通じ合っていた。
としみじみと語っています。
2004年3月4日、脳梗塞で倒れてから、完全復帰を目指して現在も週4回のリハビリを欠かしません。
45分のウォーキングと、40分間の筋力トレーニングがメニュー。
リハビリじゃない。筋トレ、筋トレ。
と、元気な様子で、11日は全日本大学選手権決勝戦を観戦しました。
会場の神宮球場はバリアフリーではありません。
貴賓席へ向かうためには、ビルでいえば3階分の階段を上がらなければならない。
関係者の心配をよそに、長嶋さんは元気に上りました。
そのおかげか、母校の立教大が59年ぶりに大学ナンバーワンに。
試合後、立教の校歌斉唱の場面では大きな口を開け、振れるのであれば、不自由な右手も振らんばかりの勢いで斉唱。
やっぱり、野球はいい。
とボルテージが上がりました。
日本スポーツ界最大のレジェンドの圧倒的な存在感は、永遠です。
6月15日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」