ヤクルトは今季、日本一を目指してスタートしました。チームスローガンは、「目を覚ませ!」。真中監督が強く推したそうです。ところが、違う意味で目を覚まさなければいけない。昨日、DeNAに負け、引き分けをはさんで、47年ぶりの12連敗となってしましました。1970年、アトムズ時代のヤクルトは、16連敗。真中監督が生まれる前のことですが、別所監督が連敗中に解任されています。
7月は、まだ白星がなし。4カ月連続の負け越しが決定しています。前半戦で2度の10連敗以上を2度も喫したのは、61年ぶりの記録。さすがに、明るく元気な真中監督も、口数が少ない。昨日も試合後、
「(得点が)0ですからね。勝ち目がないです」
と振り返っていました。打線に変化をつけようと、1番に山田を置くなどしても特効薬にはならなかった。
今回の連敗中、
「おれを写すカメラマンが増えた気がする」
など、自虐的なことも漏らすようになりました。いくらやりくり上手とはいえ、タマがない状況です。春季キャンプ中、川端が椎間板ヘルニアで脱落したのをはじめ、左足肉離れの畠山や、チーム唯一の3割バッター、雄平。大引に加えて、守護神の秋吉が右肩の不安でリタイアしている。
株主総会で、「何千万も貰っている選手、海外からきた選手が、どうして2軍にいるのか」と株主から質問があったほどだそう。一方、おとなしくて、あたたかいといわれるヤクルトファンも、怒ってクラブハウスまで抗議をしたことがあります。7月7日の広島戦、新守護神に起用された小川が9回、6点差をひっくり返された。「土下座しろ」などの、ば声を浴びせられても仕方なし。
他球団と比較しても選手層が薄い。このあたりは同じ不振でも巨人とは事情が違う。真中スタイルは一見、何もしないように思われがちですが、三木ヘッドコーチ、杉村チーフ打撃コーチ、伊東投手コーチなどを信頼しており、各担当から意見を聞き、それを受ける形をとっている。連敗続きでも監督を悪く言う選手がいないことも、事実でしょう。
同じようにチームがリーグ最下位に低迷した、2010年5月。高田監督は、「チームに迷惑をかけたくない」と、涙を浮かべながら辞任をしています。フロントは慰留したものの、辞意は固かった。しかし、その後、チームは小川監督代行が指揮を執り、残りシーズンを勝率6割2分1厘。4位に食い込んだことを思い出します。
そうした前例があるだけに、監督の首をすげ替える手もあると言われますが、就任1年目の15年。前年の最下位から、リーグ優勝という離れ業を演じた功労者です。今の状況では、たとえ監督を交代してもチームが変わるとは思えません。
「感情のコントロールは難しい。おれだって、机やいすを蹴り飛ばしたい時がある。そんな時は、10秒ぐらいグッと我慢…。そうすると、少しだけすっきりする」
と言います。ちなみに、目を覚ませ-のスローガンは、
「もう1度、やってきたことを見つめ直せ、という意味」
とシーズン前に説明。勝負の世界は皮肉です。
7月19日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」