日馬富士暴行事件とハリウッド・セクハラ騒動の共通点とは?
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11/16(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
鳥取県警が傷害容疑で捜査
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(元外務省主任分析官・作家)
日馬富士暴行事件~貴乃花親方も見られる不自然な行動
大相撲の横綱日馬富士(はるまふじ)が、平幕の貴ノ岩に暴行を加え、怪我をさせた問題で、鳥取県警が現場となった飲食店など、関係者への事情聴取を始めたことが、捜査関係者の話で分かりました。鳥取県警は、傷害の疑いで捜査し、日馬富士本人への聴取の時期など、検討を進めています。
捜査関係者等によると、暴行があった酒の席は、10月25日夜から26日未明にかけて、鳥取市内で、2軒目に訪れた飲食店だったということです。酒の席には、白鵬と鶴竜の2横綱。関脇照ノ富士、そして平幕の貴ノ岩の他、日本人力士や、付け人等、関係者が参加していたと見られています。
鳥取県警は傷害容疑で捜査しており、現場となった飲食店など、関係者の事情聴取を始めました。日馬富士本人を事情聴取する場合、「鳥取へ呼ぶ他、捜査員を福岡に派遣する可能性もある」とのことです。日馬富士は昨日、一旦は東京に帰りましたが、再び福岡に戻りました。日本相撲協会の春日野広報部長は、「日馬富士、貴ノ岩、共に本場所休場中ですので、本場所中の捜査協力について、もちろん問題ない」と見解を示しています。一方、関係者によると、巡業部長を務める貴乃花親方は、10月29日に被害届を提出しているのですが、その件を一昨日まで、協会に報告していなかったとのことです。
また、初日から休場する場合、本場所2日前に診断書を提出するのですが、貴ノ岩の場合、診断書が出たのは本場所の2日目まで遅れていました。日本相撲協会が、今回の状況を把握したのは今月2日で、翌日3日には、伊勢ヶ濱、貴乃花の2人の親方に電話で聞き取りをしたのですが、そのときには2人共「分からない」と言っていたそうです。“貴乃花親方は、被害届を出しているのに「分からない」と答えている”のは、つじつまが合いません。それから、貴ノ岩についても、暴行翌日には、外傷もなく、秋巡業で取り組みもこなしていました。“入院が暴行からおよそ10日後”という点も不可解で、今後の警察の捜査や、日本相撲協会の調査が注目されています。
「業界のローカルルール」はもはや通用しない時代
高嶋)この問題は、佐藤さんにとってはずばりどこが核心だと思いますか?
佐藤)これは、「ローカルルールが通用しなくなっている」ということです。最近話題になった、ハリウッドのセクハラ疑惑と、スゴく似ています。ようするに、良い悪いは別として、芸能界や映画界、角界、あるいは将棋の世界……こういうところには、独自のゲームのルールがあるわけです。
高嶋)多少は閉ざされた、その世界独特の。
佐藤)あるいは大学なら体育会です。独自のゲームのルールがある。そうすると、そうしたものが、いま通用しなくなって、通常の社会通念と同じところになっている。
高嶋)相撲の社会なら相撲の社会の、独特のしきたりとか。それを指して「ローカルルール」と。
佐藤)はい。そのローカルルール。たとえば、体育会等でも、先輩が話している前で、新入部員がスマホをいじっていて、注意しても聞かずにいじり続けていたら、アルコールが入っていた場合、叱責目的でビンタが飛ぶかもしれません。それは一昔前なら「体育会ならあり得るだろう」だったのが、いまはビンタした瞬間、最低限でも停学でしょうね。対応が悪い場合、刑事告発や告訴をされた場合、退学になる可能性すらある。
高嶋)セクハラやパワハラ、いろいろ「ハラ」が付くものがありますが、ああいうのも昔の、たとえば一般の会社でも当たり前に行われていたことが、いまの時代にあったら大変だな、というのを目撃しましたからね。
佐藤)全体がフラット化しているわけです。そこのところが、相撲の世界にも及んだ、ということです。
高嶋)角界は、どうすればいいのですか? 今回の件はローカルルールが適用できない。今度、警察が調べますよね……
佐藤)ローカルルールが適用できないので、とにかく、「ビール瓶で頭を殴る」とか、「怪我をさせる」とか「バットで殴る」とか、社会通念上、明らかに犯罪になる行為が起訴猶予になるときは「可罰的違法性がない」場合です。ようするに、「深く反省しているし、初犯だし」ということです。今回もそれを狙っていると思いますが、通用するかどうか? その意味においては、こういう世界も、「コンプライアンス(法令遵守)、特に刑事事件に発展するようなことは、絶対にできない」時代になっていることに対する、意識転換が必要ですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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