11/20（月）FM93AM1242ニッポン放送『須田慎一郎のあさラジ！』今日の聴きどころ！③

韓国ではサムソンが半導体事業で復活
7：10～　やじうまニュースネットワーク：コメンテーター　高英起（デイリーNKジャパン編集長・ジャーナリスト）

【東芝決算会見】決算会見する東芝の平田政善代表執行役専務＝2017年11月9日午後、東京都港区の東芝本社　写真提供：産経新聞社

東芝が6,000億円の資本増資決定～上場維持へ

経営再建中の東芝は昨日の臨時取締役会でおよそ6,000億円の資本増強を決めた。今回の措置で負債が資産を上回る債務超過が解消されることになり、仮に半導体子会社の売却が来年3月末に間に合わないとしても、上場廃止になる事態は避けられそうである。

畑中）この半導体子会社の東芝メモリの売却ですが、会社としての方針は決まっているわけですけど、アメリカのウエスタンデジタルとの訴訟が続いていまして、この展開次第では来年の3月末までの売却が完了するか不透明な状態が依然として続いておりました。東芝の綱川智社長ですが先月24日の株主総会では、環境の変化に応じていろいろな手段を考えなければいけないと別の資金調達を匂わせていました。結局6,000億円の資本増強というわけで、一株およそ263円で新株を発行する第三者割当による増資、合わせて60の海外ファンドに引き受けてもらい、来月の12月5日に完了するということです。ただこのファンドの中には「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」という旧村上ファンドの出身者が作ったファンドも含まれております。いわば、物言う株主といわれるファンドが名乗りを上げておりまして、東芝の経営に少なからず影響を与えるのではないかという可能性も指摘されております。何よりもこの資金調達ができましても虎の子の半導体事業の売却、それからパソコンやテレビ事業も売却するという見通しが伝わってきておりまして、そうなりますとB2Cという消費者向けの事業がほぼなくなってしまい、社会インフラとエネルギー事業だけでやっていけるのかの懸念は完全に払拭されたとは言えない状況でして、まだまだいばらの道が続きそうな状況です。

須田）資本政策上大きな疑惑の赤字を掲示したわけですから、増収して資本を厚く持っていかないと東芝としては経営が安定しない。いくら半導体事業を売却してみたところで、すぐに資本には参入されませんから。その辺がひとつポイントなのでしょうけど。そうすることによって、物言う株主を呼び込んでしまうことになる。どっちに転んでも苦しい展開だという感じがしますよね。

サムソンの半導体事業が復活

須田）ただこの半導体事業に関していうと、ライバルが世界各国でありまして。中でも韓国の競争力は日本を大きく追い抜いていくような状況になっています。高さん、韓国の半導体事業ですがひところは限りが見えてきたように思いましたが、やっぱり大きく復活してきていますよね？

高）そうですね。サムソンが韓国経済を大きく支えてきたと。そのサムソンが凋落していると言われていますけど、この3月に朴槿恵（パク・クネ）さんが罷免されて、サムソンの副会長の李在鎔（イ・ジェヨン）さんが逮捕されましたが、逆にそれが好材料になりまして今のサムソンの株価が復活していると聞きます。元々サムソンは半導体事業で成長した企業ですので、そういった意味では原点回帰になっているのかなと思います。

北朝鮮のドローンに積まれていたカメラは日本製だった！

須田）せっかく高さんがお見えになっているので、北朝鮮の半導体についてお伺いしていきます。北朝鮮が例えばミサイル開発であるとか原子力開発、あるいはインターネットの分野に出ていくことに関していうと、半導体は絶対的に必要ですよね。これはどこから仕入れているのですか？

高）やはり中国だと思います。中国自体の半導体のレベルがどうかは別として、中国のいろんな技術を仕入れたりして、自分たちの軍用に転化していると思います。半導体とはずれるかもしれませんが、北朝鮮のドローンが韓国に何台か入って問題になりました。そのドローンに積まれていたカメラのメーカーは言えませんが日本製のカメラでした。そのメーカーの方が「今は民生品がオーバースペックで非常に性能がよくて、いつでも軍用に転化できるレベルだ」と。GPSについても同じように言っていました。こういった物に半導体は欠かせませんよね。北朝鮮は民生品を利用して軍用に転化していると考えると、こういった流れを防ぐことはかなり厳しいと思います。

須田）かつては軍用品から民生品だったけど、北朝鮮の場合は流れが逆なのですね。

高）垣根がなくなってシームレスになってきていると思います。

高嶋ひでたけのあさラジ！
FM93AM1242ニッポン放送 月～金 6:00～8:00