東芝メモリー事業の売却先が決まらない理由

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9/11(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

将来性を考えるとウエスタンデジタルとなる
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

東芝

東芝本社の看板=2017年8月31日午後、東京都港区芝浦 写真提供:産経新聞社

東芝社内で意見が分かれ、8月末のラインを過ぎる

東芝は8月末までに東証の上場廃止に関する結論を出さなければならないと言われていましたが、何も解決しないまま今日を迎えています。いったい、東芝の半導体メモリー事業売却の売却先についてはどうなっているのでしょうか。

高嶋)8月いっぱいに結論を出さなければ東芝に明日はないと言われていました。ウエスタンデジタル、日米韓連合、それからなくなったはずの鴻海のテリー・ゴウまで出てきています。国のほうはどうするつもりなのか、銀行団はどうだとかいろいろ言われていますが、現状を簡単に教えてもらえますか?

須田)東京証券取引所の上場廃止に関する結論を出さなければならないのが、8月末と言われていました。債務超過が回避できるような、経営をきちんと継続していけるような青写真を8月末までに提示して、これで債務超過を解消できますという説明を行わなければならなかった。そうしなければ債務超過に陥って上場廃止になって、結果的に銀行団は手を引かざるを得ない状況になると。そういった状況を回避するために8月末というラインが引かれていました。

高嶋)なるほど。

須田)そういった中で、国や経産省が主導する形で日米韓連合に東芝メモリー事業を、約2兆円強で売却すると言われていました。

高嶋)これが本命に躍り出たことがありましたよね?

須田)ずっとこれが本命でした。ところが社内の意思統一が図れるのかといったら、もともと東芝が事業提携をしていたアメリカのウエスタンデジタルも買収に名乗りを上げていて、これまでの経緯もあるし買収金額を見てみるとウエスタンデジタルに売却した方が将来性とメリットが高いのではないかという声が社内から出てきました。

高嶋)もともと仲間でしたからね。

須田)綱川智社長が主導する日米韓連合による買収というプラン、バックには経産省がついています。これに反旗を翻すような動きが社内で起こってしまった。この両方がぶつかり合って東芝社内で結論が出ないという状況で今日に至るという状況です。

高嶋)最近の情報では日米韓のほうにアップルが入るのですか? それで2兆円といわれていたメモリーの売値を研究費もつけて2兆4,000億円にしたと。

須田)ウエスタンデジタルのほうが東芝にとってメリットが大きい。そこで、それを上回るように4,000億円プラスにしたと。泥縄ですよね。


東芝はゾンビ企業? 優秀な人材はさっさと成長性のある産業企業に行くべき

高嶋)最近の情報では、東芝といえば日本を代表する企業で優秀な人材がたいへん多い。どんどん櫛の歯が欠けたようになくなっています。こういうのは実際東芝が最終的に生き残って原子炉事業をやろうといってもうまくいくものですか?

須田)2017年3月末に債務超過であると情報が出ていますが、2016年3月末も間違いなく債務超過だったと思います。そうすると本来だったら上場廃止、場合によっては債務超過で法的整理になってもおかしくはない。言ってみれば東芝自体はゾンビ企業なのです。本来なら潰れてもおかしくはない企業です。優秀な人材はさっさと成長性のある産業企業に行って日本経済に貢献すればいいのです。

高嶋)ここまでぐちゃぐちゃしながらもまだ結論が出ないままで。これから先、一番考えられ得るシナリオはどんなものですか?

須田)見えてこないのが最大のリスクだと思います。本来だったらウエスタンデジタルがベストな選択だと私は思いますけど、そうしてもらったら困る国の思惑、それに押されている綱川社長を考えると、強引にことを進めるということですから、果たして株主や取引先は納得するのかというところです。

高嶋)日暮れて道遠しという感じですね。存続するのかな、どうなのかな。

高嶋ひでたけのあさラジ!
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