なぜトランプ大統領の支持率は下がらないのか?
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1月22日(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ④
全米各地で100万人を超える抗議デモ
7:14~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
2年目となるトランプ政権~全米各地で抗議デモ
ドナルド・トランプ大統領が就任1年を迎える中、全米で、トランプ政権を批判する抗議デモが起きました。また、つなぎ予算の期限切れによる政府機関の閉鎖で観光地に影響が出るなどトランプ政権2年目は波乱の幕開けとなっています。
40%の支持率が高いのか低いのかということになりますが、トランプ政権、週末は1年前のデジャブのような風景が繰り広げられまして、デモがワシントン、トランプタワーのあるニューヨークの中心部、ロサンゼルスの中心部、シカゴと全米各地で行なわれました。その規模は、アメリカのメディアによりますと、100万人を超えるということです。特に女性のデモの姿が目立ちまして、ロサンゼルスでは女優のスカーレット・ヨハンソンさんのような有名人も駆け付けたということです。当のトランプ大統領はどこ吹く風のようでして、Twitterでは「今日は全国的に素晴らしい天気で絶好のデモ日和だ」と皮肉もつぶやきました。
一方このつなぎ予算の期限切れに伴う政府機関の閉鎖ですが、23日の未明、日本時間の午後に共和・民主による両党の予算案採決に向けた手続きを再び行う予定で調整が続いています。この影響でニューヨークの観光名所、自由の女神像が閉鎖されたり、世界各地のアメリカ軍兵士らに発信しておりますラジオ局AFMも放送を停止するというこういう事態に陥っています。週末ということで、この政府機関の閉鎖の影響は限定的とアメリカのメディアは伝えていますが週明けの22日にはマーケットも開きますので、そういったところに影を落とすのではないかという懸念もあり、このところのアメリカ市場にどう影響するか注目されるところです。
高嶋)須田さんはトランプ政権を支持しているところもあるのですね?
須田)支持というか評価している。
高嶋)どこが一番良かったんですか?
下がらない支持率~公約実行を評価
須田)やはり、歴代の政権と違って、大統領選挙の公約を実行しようとしているところ、そして実行したところですね。過去の大統領はほとんど実行していないのですよ。一番のこれまでの目玉と言うと、法人税減税を中心とした大幅減税。これを実現しましたからね。政治的に議会を通すのは相当難しいと思ったんですよ。政治的な妥協かもしれないけれども、トランプさんの働きによって、この減税が認められた。そしてじゃあそれが何を意味するのか、批判多いですよ、アメリカのメディアの批判は多いのですが、マーケットは素直に反応して、この大幅減税を受けて、アメリカの株がドーンと上がったんですよ。どうして上がるのかと言うと、このことによって企業業績が良くなって、アメリカの景気が回復するからとそう読んだんです。そういった点で言うと、私、トランプさんなかなかやるなあ、と、まだ1年も経ってないのに、と思いますよね。
高嶋)たいてい大統領令じゃないですか。それで、オバマさんがやったことはいちいちひっくり返す、その連続だったような気がします。それからロシアゲートなどの疑惑があっても、真実と嘘を取り交ぜてガードする。次の1年はどうなると思いますか?
須田)今、大統領に対する支持率40%弱あります。ロシアゲート事件が起こっても、バノンさんが暴露するような本が出版されても、或いは全米デモがあっても、このコアの支持層は微動だにしません。
高嶋)38~40%必ずありますね。
須田)だからトランプさんは自信を持っていますし、そこがある以上、今年1年は、これまでの1年と同様の進め方をしてくるのではないかと思います。大統領連発みたいな言い方をされますが、あれは大統領選挙の公約を実行する為の大統領令です。選挙後の思いつきで大統領令を出しているわけではないのですね。
高嶋)減税をすごく高く評価されていますが、これによって、心配な面はありませんか?
須田)きちんと景気が回復して、減税した分、法人税が増収になるかどうかというところが注目なのですが、過去、必ずしも成功しているわけではない。その結果付けにはもちろんトランプさんが負わなければならないんだけれども、ただついてますよね。大統領に就任したときが、景気の上げ潮状態のところだった。ですからその上げ潮が背中を押すようなかたちに、私は今回の減税はなるんじゃないかと思います。
強固な日米の連携
高嶋)これから日米の関係はどのようになりますか?
須田)米韓、或いは日韓が今ギクシャクしてますからね、そういった点で言うと、日米の連携がかなり強固だっていうのは、これは評価していいんじゃないかなと私は思います。
高嶋)例の首都移転もイスラエルの人は本音ではそんなことして欲しくないと言ってる人も相当いるという情報もありますが。
須田)大使館の移転はどうなのでしょうね。議会ではもう決まっていたことなのに、なかなかそれが政治的な思惑で実行しなかったからではないですかね。
それを是々非々でやってしまった。政治家の経験がない人だからこそ、できたんだろうなと。そこにトランプさんの期待と言うか可能性があるのだと思います。高嶋)ロシア疑惑はけっこう踏み込んでくるところもありますけど、かわしきれますかね?
須田)ロシア疑惑というのは、何もトランプ陣営だけじゃなくて、クリントン陣営も及んでましたから。ですから非常に政治的な思惑が強すぎるんじゃないかな、と思いますけどね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00