トランプ大統領の差別に対する意識構造とは?
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1月18日(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
アフリカへの侮辱発言~無意識の差別意識
6:31~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター佐藤優(元外務省主任分析官・作家)
トランプ大統領がアフリカの国々を侮辱発言
トランプ大統領がアフリカの国々を「Shithole」(肥溜め)と呼んだとされる問題。その根底にある大統領の差別意識と、共和党・民主党の発言への対応ついて。佐藤優が差別問題の視点から佐解説する。
高嶋)トランプ大統領のShithole発言に批判が上がっていますが、ご自身は「差別主義者ではない」と言っています。
佐藤)これね、日本だから「Shithole」と今我々こういった言葉言えると思うんだけど、多分英語圏だと放送禁止用語にはなっていなくても、限りなく不快語であることは間違い無い。特に朝食時間に入ってる人もいますから、そういう時間帯だとちょっと口に出さない言葉ですね。
侮辱発言から見えるトランプ氏の日常的背景
高嶋)その言葉を大統領が口に出したというその背景には、いろいろなものが見えて来ますね。
佐藤)日常的な用語の使い方なんです。多分内輪では、「どこのガキやどこのぼんくらや、肥溜めから上がってきたようだな」とか言って、こんなような話をしてるわけですよ。
高嶋)それが日常会話だったと。
佐藤)日常会話だから、こういったときに、普段出て来ない肥溜めみたいな、こういった言葉が出て来るわけです。
高嶋)それを敵方というか、民主党議員に聞かれて、そう言っていたということをマスコミにバラされた。大騒ぎになりました。アフリカなんかもう怒りまくってますね。
佐藤)そりゃそうです。アフリカの方から考えると、アフリカから奴隷っていう形で連れて来られて、奴隷は物ですからね、殺されちゃうことだってあったんだと。
トランプ大統領の明かな人種差別意識
高嶋)ということはこのShithole発言の裏には明らかに人種差別があるということですね。
佐藤)人種差別意識があるのですが、怖いのは、トランプ自身は何の差別もしてないと、俺のような公明正大な人間はいないと思ってる。
高嶋)言ってます。
佐藤)これは差別者の典型なんですよね。差別というのが構造化されてる場合には、差別をしている側は、自分が差別してるということを意識してないことが非常に多いわけです。
高嶋)私、いけしゃあしゃあと、これがトランプさんのパーソナリティだと思いましたけど、人種差別してないという人は必ずそういう発言をする。俺はしてない私はしてないと。
佐藤)そういうことです。人間はね、率直に言って誰でも、学校の成績でもそうだし、容姿でもそうだし、自分の方がちょっと上だとか、或いは学校の成績が良く無ければ自分の方が運動できるとか、逆に運動ができなければ俺の方が成績が良いんだとか。いろいろなところで他の人よりもちょっと自分の方が上だという意識を持ちたがるわけなんです。そこにちょっと問題があるなとか思ってないと、それが当たり前だと。だから例えばトランプさんからするとですよ、「俺は大金持ちだと、大統領になった。どうしてだと思うかと、俺は能力があって、天才だからなんだよ。それだからな、他の人が言ってることは全部俺をやっかんでるだけなんだぜ」と思ってる。こういうような意識の中でやっぱり差別意識があるわけですね。
民主党と共和党の対応の問題点
高嶋)そこで佐藤さんが指摘されるのが、民主党議員がそれを表沙汰にした。共和党議員も最初は肯定してましたけども、大統領と同じ政党だから後で否定した。その場でなぜ言わなかったかということですが。
佐藤)それはね、後から否定する共和党の議員たちは論外としてね、民主党の議員としてもその場でおかしいと思うならば追求しないといけないはずなんですよ。「ちょっと待ってくださいと。いくらなんでも国を指して肥溜めみたいな言い方はないですよ、それは非常に侮辱的であって、差別的ですよ」と言えば、トランプさんはその瞬間にそれを撤回すると思います。「ちょっと言い過ぎた、失礼。この言葉は撤回する」と。そうなってしまったら大きな騒動にできない。だから多分そこで聞きながら、政治的な思惑から民主党の議員はしめしめと思ってた。でもこういう対応も目の前にある差別、あと他国に対する侮辱を放置してるっていうことにおいては、あまり良いもんじゃ無いですよね。政争の具として使おうとしているわけですから。
トランプ政権発足2年目の展望
高嶋)明後日、20日で就任してから2年目に入るのですね。
佐藤)長く感じますね。
高嶋)次の2年目はどうなりますか? 簡単なイメージで言うと。
佐藤)こんな調子で続きますね。意外と強いです。だから自分にとってのかっちりとした支持基盤3割と、イスラエルにあるアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムへ移すっていうようなことをして、今度は宗教右派をも味方にするっていうような形で、すごくよく計算しています。どんなに顰蹙を買っても雨が降っても槍が降っても選挙に来てくれる人だけ味方にするという、こういう目的から動いてますね。
高嶋)じゃあ本音で言えばあんまり痛痒は感じてないっていうことですね。
佐藤)全然感じてないですね。「これは神から選ばれた者の試練だ」くらいに受け止めて、「また試練が来た。本当のことを言って何が悪いんだ」くらいだと思いますよ。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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