1/26(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！④

相撲協会の体質はまったく改善できていない
7：17～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター宮家邦彦（外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹）

春日野部屋傷害事件～隠蔽を否定

大相撲の春日野部屋の傷害事件で、被害者の師匠だった春日野親方は、事件後、当時の日本相撲協会の北の潮理事長らに報告したと明らかにし、自身の隠蔽を否定した。しかし、協会からの公表は無かった。

春日野部屋で傷害事件が発生したのは2014年9月5日の夜。兄弟子が若い力士を集め、掃除方法を注意した際、まだ入門7ヶ月だった弟弟子だった矢作嵐さん（現在22歳）が、先輩力士のマッサージ中だった若手も呼んだために、腹を立てた兄弟子から暴行を受けたとのことです。顔を殴られたり腹を蹴られたりして、顎の骨を折る、全治1年6ヶ月の重傷を負いました。

矢作さんは兄弟子を傷害容疑。春日野親方を保護責任者遺棄容疑で、それぞれ刑事告発して、兄弟子は一昨年6月に懲役3年、執行猶予4年の有罪判決が確定。春日野親方は不起訴処分になっています。

矢作さんは春日野親方と兄弟子に対し、3,000万円の損害賠償を求め、去年3月に東京地裁に提訴も行っています。矢作さんは「暴行の後遺症で味覚を失った」と言うことで、インタビューで次のように話しています。

矢作嵐さん）謝罪云々と言うよりも、その暴行事件をやられて、一瞬で夢無くなったんで。それは本当、もう……この先、暴行事件がなければ、「もしかしたら関取になれていたかもしれない」という、僕の人生を返して欲しい。

春日野親方は「冷やしておけば治る」などと言って、適切な治療をさせなかったとのことですが、昨日親方は取材に応じ、「当時の北の潮理事長には報告した」とのことです。

相撲協会はこれまで公表していません。相撲協会は、非公表の理由について「矢作さんと加害者の兄弟子が有罪の確定時点で引退していたため、協会員では無い方の判決で、個人情報の観点からも、取り立てて公表するものではない」と説明しています。

この事件が、日馬富士暴行事件の貴乃花親方の行動に影響か

高嶋）どう思われますか？

宮家）そんなの後付けでしょう。協会で言った言わないの前に、まず「部屋」というのは、一種のチームですよね。そして、管理をしなければいけない立場にあるのが親方でしょう？　なら、そこでそういう事件が起きたら、対外的に説明をする。これが最初ですよね。「協会の理事長に～」という話ではないでしょう。

高嶋）当時は北の湖理事長で、広報と危機管理は出来山親方（元・出羽の花）でしたね。
「判決が下った時点で協会員ではないから～」とは、非常に無理のある表現ですね。部屋の中で起きた事件で、相当の重傷を負っていて。私が連想したのは、今度の日馬富士暴行事件。貴乃花親方が貴ノ岩に対し、すぐに事件を司法の手に委ねて、「警察・検察の調べがつかない限り、何もやらない」と協会に突きつけた。いまにして思うと、貴乃花親方は矢作さんの事件を知っていたと思うのです。「あれもうやむやにされているから、これはキッチリさせなければ」という、正義が働いたのではないでしょうか。これは、2月の理事選挙とか、3月の理事長選挙とかに影響を与える気がしませんか？

宮家）そうですね。しかも、「体質がまるで変わっていないのでは？」という、恐ろしい疑念が生じますよ。だって、これは刑事事件になったわけでしょう？　つまり外に発表されているはずですよね。それを隠すのは無理でしょう。

高嶋）私も知りませんでしたが、マスコミも気付かなかったのでしょうか？

宮家）“うまく”やったのかもしれませんが、そんなに世の中甘くないですよ。

高嶋）でも、やはりこういうことがあると、「組織を守ること」が優先されるんですよね……

宮家）だけど、「体罰がいけない」とか「いじめはいけない」とか言われているのに、相撲協会の中でこんなことをやっていていいのか。

高嶋）相撲も、本当に微妙で。よく「かわいがり」とかよく言われますが、そういうのも必要なのです。稽古を見ているとよく分かりますが、辞めていく人も大勢いる中で、克服して偉くなって、日馬富士みたいに横綱になる人もいるのです。（各界には）元々気の強い人しかいないしね。

宮家）“暴力”と“気が強い”のは違いますよね。

高嶋ひでたけのあさラジ！
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