ファンタジーと現実の間で見え隠れする妖精のすがた
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ファンタジーと現実の間で見え隠れする妖精のすがた
エルフ・トロール・ノーム・ドワーフ……私たちにあまり馴染みのない妖精。自然界にいる精霊で、古くから伝承され、しばし人間にも目撃されています。ピーター・パンの物語の中では、赤ちゃんが最初に笑ったときに妖精は生まれ「妖精なんかいない」と言われる度に妖精が消えてしまう、といわれています。そこには妖精、ティンカー・ベルが登場します。また妖精では、シェークスピアの『夏の夜の夢』に登場するトリックスター、パックが有名ですね。パックはイギリスのいたずら好きのフェアリーとして民話にも顔を出します。
パックが語源になっているピクシーはイングランドの妖精の一種。普段は透明だけれど、頭に四つ葉のクローバーを乗せると姿が見えるようになるんだそうです。貧しい者のためには仕事をするけれど、怠け者を見つけるとポルターガイスト現象を起こしてこらしめます。旅人は夜の森でピクシーのダンスに出くわすと時間の観念を忘れて踊らされてしまうといいます。またわざと道中で迷わせて旅人をくたくたにさせたりもします。そんなピクシーにつかまらないためには上着を裏返しに着ること。“妖精よけ”の方法です。
まだダンスで疲れてしまうだけならいいのかもしれません。ヨーロッパの伝承では「取り替え子」というのがあります。幼い人間の子どもを連れ去る代わりにフェアリー・エルフ・トロールなどの子を置き去りにするのです。妖精についての民俗伝承の中では最古のもののひとつで、歴史的記録にも残っています。スカンディナヴィアでは妖精は鋼を怖がると伝えられていて、洗礼前の子どもにそっとハサミやナイフをしのばせて守っていました。
妖精は嫌なことをするばかりではありません。日本では乳歯が抜けたら下の歯を屋根に投げたりしますよね。ですがイギリスやアメリカでは抜けた歯を眠る前に枕の下に置いておくとコインに変わっているのです! サンタクロースと同じ仕組みですが、抜けた歯を夜な夜なこっそり持っていきコインを置いてくれる妖精の姿を想像するだけでほっこりなりますよね。
最後に一風変わったアイヌの妖精を。コロポックルとは「アキタブキの葉の下の人」という意味で、アイヌの伝承に登場する小人。アイヌが北海道に住む前からいた背の低い種族だったらしく、漁が得意で動きがすばしっこかったといいます。とても友好的でよくアイヌの人に贈り物をしたり物々交換をしていました。けれど姿を見せることを極端に嫌い、やりとりは夜にこっそりと行われました。その姿をどうしても見たくなったアイヌの若者がコロボックルを待ち伏せ、室内に引き入れてみたところ、手に刺青をしている美しい女性でした。コロポックルの一族はその若者の無礼に激怒し、北の海の彼方へと去ってしまったといいます。
こうして見るとファンタジーと現実の間で妖精の姿が見え隠れして、「もしかしたら本当にいたのかも?」と思えてきてしまいますよね。では、本当にいる妖精の情報はこちらです。
さて、東金市のマスコットキャラクター「とっちー」をご存知でしょうか。
市制60周年の2014年に誕生した、怪獣のような形ですが、誰よりも東金を愛する緑色の妖精です。着ぐるみ1体だけで年間4・50件のPR活動をこなしてきたせいか、最近、怪我と疲労で満身創痍なんだそうです。顔の輪郭はゆがみ、足裏は破れ、からだ全体の汚れも目立ってきてしまいました。
そこで東金市では、この状態を改善しようと、「とっちーを元気にしたいプロジェクト」を立ち上げました! 市内外の方から2月9日まで募金をお願いしていまして、あと少し、ご協力頂ければ、洗濯代や、雨合羽代が捻出できるということです。
3千円~3万円のコースがあり、お返しとして、とっちーからのお手紙や、シール・クリアファイルなどオリジナルグッズ、市内・道の駅のお食事券などが用意されています。寄付してもいいよという方、東金市のホームページをのぞいてみて下さいね。
とっちーを元気にしたい! プロジェクト
http://www.city.togane.chiba.jp/0000005568.html
【ハロー千葉】