軍事パレードを夢想するトランプ大統領の心理状態とは?
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2/9(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
過去には湾岸戦争終結後の戦勝パレード
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹)
トランプ大統領が大規模軍事パレードの実施を指示
トランプ大統領は、ワシントンでの大規模な軍事パレードを実施するよう国防総省に指示した。昨年訪仏した際のフランス革命記念日のパレードに影響を受けたと思われるが、果たしてこのパレードに意味はあるのだろうか。
高嶋)7月14日のフランス革命記念日。戦車なども加わる軍事パレードをトランプ大統領がパリで参観しました。それで、憧れを持ってしまったのですね。「ワシントンでも同様のパレードを実現したい」と指示を出したそうです。
宮家)そもそもパレードをやるのは「弱い軍隊」なのですよ。弱いから、武器をたくさん持って行進して「強いぞ!」とやる。アメリカ軍はもともと強いのです。しかも、あんな足を高く振り上げていては、まともに歩けないじゃないですか。手も肩まで上げるわけでしょう? そんな軍隊が勝てるわけない。アメリカ軍がやってもできるわけがない。無駄なことは止めて、他のことをした方がいいと思います。
高嶋)だけどフランスのようなパレードが強烈に印象に残ったようで。具体的な検討を指示し、7月4日の独立記念日とか、11月11日の退役軍人の日。そんな日が早くも候補に挙がりつつあるとか。
宮家)1つの可能性としてはあるのでしょう。湾岸戦争後の1991年に戦勝パレードを行いました。あのときはアメリカ中が沸きました。
高嶋)パパ・ブッシュですね。13億円を使ったとか。
宮家)高いか安いかは分かりませんが、それは意味があったと思うのです。だけど、今回は何の意味があるのか? たしかにトランプ政権は軍人やいろいろな強い人に対しては優しいですよね。だからやろうとするのかもしれないけれど、冷ややかに見る人は多いと思います。
高嶋)国防長官のマティスさんも、真っ向から「そんなことやっても無駄」みたいなことは一切言わず、「この国の誰もが、大統領の軍への愛情と敬意を知っている。その反映であろう」と。うまいことを言いますね。
宮家)だから生き延びているのですよ。本当のこと言ったら、クビですよ。
無意味なパレードは国民が冷めるだけ
高嶋)ワシントンというのは、パレードをするのに相応しい通りがあるのですか?
宮家)ありますよ。だけど、どうでしょう。戦車なんて走らせたら、舗装が滅茶苦茶になってしまうし、いろいろ考えるのでしょう。きっとモニュメント近くか中心部でやると思います。
高嶋)過去の歴史を見ると、兵士が帰還したとか、戦争に勝ったとか、そういうときは大変な熱狂ですよね。「これから新時代だ! 平和な日々が続くんだ!」と。ああいうのを映像で見ると感動を覚えますが、単に「大統領がフランスへ行ってパレードを見て、カッコイイからやりたい」と子供的発想でやったら、国民はどう思うでしょうか?
宮家)やっぱり冷めるでしょうね。だって、1991年にあれだけのパレードをやって大興奮した翌年の1992年に、パパ・ブッシュは選挙で負けたのですよ。だから、こんなものは全然長続きしないのですよ。まして何もないのにパレードをやっても、政治的効果は何もないと思います。
トランプ大統領は軍に憧れを抱いている
高嶋)こういうのを調べると、けっこう「軍歴問題」というのは、国民感情を左右しますよね。トランプさんは不動産屋で、ビジネスしかやっていないですから。
宮家)だから憧れがあるのでしょう。尊敬があるのは分かります。
高嶋)制服に対する根強い憧れもありそうですね。
宮家)何をするか分からないけど、もっと他にやることがあるだろうと思います。
高嶋)ワシントンポストによると、「マティスさんにフランスのようなパレードの具体的検討を指示している」とのことで。言われている方も「どうやって断ろう?」といろいろ考えているのだろうと思いますね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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