アメリカが小型核使用で生じる恐ろしい危険性とは?

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2月8日(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

トランプ政権が超小型核を導入、世界へ広がる恐怖
6:31~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター佐藤優(元外務省主任分析官・作家)

W54 核弾頭 デイビー・クロケット

デイビー・クロケットに用いられたW54(W54 (核弾頭) - Wikipediaより)

トランプ政権が核戦略見直しを発表~非核攻撃への反撃にも核使用

トランプ政権が核戦略見直しを発表。超小型核を潜水艦発射弾道ミサイルに導入し、非核攻撃に対しても超小型核を使用しての反撃の可能性を明示した。その背景にあるトランプの思惑と世界への影響はどのようなものだろうか?

高嶋)トランプ政権が核戦略の見直しということで、超小型の核をSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)に導入して、そこから撃つとしています。相手の攻撃に対して、向こうが核攻撃をしてきた場合じゃなくても、この小型核で応戦するということです。これはどういう意味ですかね?

佐藤)これはすごく不思議です。通常こういうことを言うのは弱い国です。強い国というのは自分たちを攻撃したら全滅してやるぞ、大きな核を持ってるぞというようなことを言うのですが、この小型核が広島の原爆の10分の1くらいと仮に考えてすると、それでも東京に落ちたら1万人は死にます。1発で1万人殺せる爆弾というのは他に無いですから、小型だと言ったって通常の爆弾とは質が違うわけです。こういうものを撃つというのは、これから軍拡競争に入って行きましょうという意味合いなのですよ。

高嶋)小型になったからというのが一つの言い訳になっていて、それでむしろ使いやすくなってしまうという、そういう危険性は先に来ますよね。

M-29 W54 弾頭 戦術核兵器 展示用模擬弾 デイビー・クロケット アメリカ陸軍兵器博物館

M-29に装着されたW54弾頭(展示用模擬弾)アメリカ陸軍兵器博物館の展示品(デイビー・クロケット (戦術核兵器) - Wikipediaより)

トランプが超小型核を増強する理由

佐藤)だから使いやすくするとことなのですが、トランプの中では「どうせ誰も使うことはあるまい」と。こういうようなところはあると思います。あともう一つなにがあると思います?

高嶋)なんですか?

佐藤)軍産複合体がものすごく儲かります。

高嶋)その小型核を量産するのに。

佐藤)そうです、小型核を量産すれば。

高嶋)いま持っている何千発の核というのはみんなどでかいやつばかりですか?

佐藤)はい。どでかいやつと、潜水艦搭載だったら小さいものもありますが、こんな極端に小さい、昔から言われているスーツ―ケース爆弾というやつですからね。テロリストがスーツケースにこのような爆弾を持っていて破裂させたらどうすると心配されている、そこまで小型化するということですから。そうすると、こういった技術が流出しないという保証はどこにもないですからね。

高嶋)持ち運びも自在になりますしね。

デイビー・クロケット 戦術核兵器 メリーランド州 アバディーン性能 試験場

運用試験中のデイビー・クロケット(1961年3月メリーランド州アバディーン性能試験場での撮影)(デイビー・クロケット (戦術核兵器) - Wikipediaより)

情報流出、自爆テロでの使用……超小型核の持つ危険性

佐藤)そうです。トランクで持ち運べるようなものになるわけです。これをやれば、中国もロシアも開発します。そしたらこういった技術は必ずトリクルダウン、必ず漏れ落ちていきます。そしたら北朝鮮も大量に造るだろうし、或いはイランのような国だって造るだろうし、その内イスラム国にそういったものが零れて行かないか、パキスタン辺りが造り始めたらどうなるか。そういった可能性だって排除されません。ものすごく恐ろしいゲームを始めるわけです。

高嶋)例えばテロリストにわたったと考えると、自爆するような装置あるじゃないですか?

佐藤)現在使っている爆弾の代わりに核をつけて自爆することも可能になるわけです。そうすると、自爆テロリスト1人が1万人くらい殺せる。こういような形で脅迫するということになるわけです。

オバマ バラク・オバマ カイロ大学 演説 新たな始まり

2009年、カイロ大学にて「新たな始まり」演説を行うオバマ(バラク・オバマ - Wikipediaより)

超小型核を導入するトランプの思惑、世界にとっての脅威

高嶋)なんでトランプさんはこんなことをやるのですか?

佐藤)二つ理由があると思います。「俺はオバマと違うんだ。オバマがノーベル賞まで貰った核廃絶というのは面白くない。だから逆を打つんだ」と。

高嶋)よくある対抗心。逆をやりたい。

佐藤)ええ。それからもう一つは軍産複合体、アメリカの軍事産業に活気を与える。小型核なんて造ってないんですもん。造るとなればその分の需要があるし、政府が何発造ると言えばその需要確実に出ます。値段も市場価格関係ありません。

高嶋)初めてのものなら尚のことですよね。

佐藤)そういうことです。ということは何かというと、再選を狙っての布石ですね。オバマと違うぞという、そういうところで彼を支持している白人至上主義の人を中心として強いアメリカって騒いでるような人たち、この人たちを満足させる。実際お金も軍産複合体に落っことして支持基盤を強くしていくと。ただそうなると怖さがあるんですよ。あえて乱暴なこと言いますよ、アメリカって戦争を公共事業の一つとして考えるところありますからね。それだから、景気を回復するために戦争に踏み込んでいく。或いはちょっとしたことでも戦争にまで発展させちゃう。そういうことをオバマさんはしかねないということを世界は心配し始めてます。怖いです。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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