北朝鮮に核開発を止めさせる2つの解決策とは?
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9/29(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
中国とアメリカの足並みがそろえば
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
64年間、常に対北朝鮮への準備はできている
今年の北朝鮮は例年以上のあらゆる挑発を行い、日本だけでなく、多くの国へ影響を及ぼしてきました。確実に進む北朝鮮の核開発を止めるにはどんな手段があるのでしょうか。元外交官である宮家邦彦さんに詳しく伺います。
高嶋)まず聞きたいのは、「北朝鮮のリスクについて」です。私が気になったのは、トランプさんは「外交手段に代わる第2の選択肢は完全に準備が整っている」と言っています。それはつまり軍事力のことですよね?
宮家)そうです。だけど、別にいま準備が整っているわけではないのです。ご承知の通り、1950年に起きた朝鮮戦争は、1953年に休戦協定ができたわけですよね? だけど、休戦協定ができたときも、北がいつ奇襲してくるか分からないから、彼らは24時間体制で常に準備はできているのですよ。いまさら「準備ができている」と言われても困るわけです。
高嶋)米ソ冷戦時代の、あのスタートになった北緯38度線。あれを挟んで、「向こうが来たら、こうやる」と、万全の戦争体制。
宮家)いつまたやってくるのか分からなかったわけですからね。休戦協定ができたのが1953ですから、64年間それを続けているのですよ。
高嶋)ということは、毎年というか、武器の進捗状況に応じて、いろいろ変えたりしてきた?
宮家)もちろんです。そのために毎年訓練をしているわけですから。「これから準備します」みたいな悠長なことをやっているわけがない。
高嶋)ということは、こんなことを改めて大統領が言うまでもない、ということですか?
宮家)そうですね、実態は。
北朝鮮へ核保有をあきらめさせる二つの方法とは?
高嶋)戦争には絶対になって欲しくないのですが、解決策はありますか? たとえば中国とかロシアとかのカードが必ず出てくるわけですが、どんな風になったら北朝鮮は諦めますか?
宮家)「核兵器を持つことが不利になる」と考えたときですね。それは2つあります。
1つは、北朝鮮が撃つミサイルが全部撃ち落とされてしまう。すると、どこにも撃てないので、核兵器を持つ意味がなくなります。
もう1つは、中国が見捨てること。中国が見捨てたらどうにもならなくなる。そこで、「核兵器は止めよう」となるのは、この2つの条件が満たされないと駄目だと思います。軍事的な、迎撃の圧力と、中国が見捨てること。しかし、中国はまだ北を見捨てられない。そこでアメリカは中国に、「こんなことをしていたら、中国にとって不利益になるよ」と、そういうメッセージを送っていますが、もしそれが上手くいけば、米中で妥協ができる。朝鮮半島の将来について、米中で妥協ができれば、(北朝鮮は)万事休します。ただ、中国はまだそこまで腹を決めていません。高嶋)アメリカと中国が手を結んで、「北朝鮮をやろう」ということが公平に話し合えれば、北朝鮮はそんなこと(核開発)をやっていても仕方がないと。
宮家)そうです。ただ、代わりに、そのとき日本や韓国を(話し合いから)外されるのも、困りますね。
高嶋)では最後に、「これはもうパキスタン方式だ」という人がよくいますが、その線ではどうなのですか?
宮家)つまり「黙認」ということですね。黙認をしたら、戦争はないです。その代わり、北朝鮮による核の威嚇が永久に続くのです。それで良いですか?
高嶋)日本はそれがいちばん嫌だ、と言っていますよね。
宮家)嫌ですよ。だから、そのオプションはない。あってはいけないのです。
高嶋)最悪のオプション、ということですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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