米中の独自制裁~資金遮断される北朝鮮はどう動く?
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9/25(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
中国・主要銀行も北朝鮮との取引停止
7:02~ ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター 須田慎一郎(ジャーナリスト)
即日効力を持つ二次的制裁『セカンダリー・サンクション』とは?北朝鮮への制裁は、何をやっても中国・ロシアが動かず通用しませんでしたが、先週の金曜日にアメリカが北朝鮮に独自制裁というニュースが流れました。今回の制裁には中国も呼応せざるを得なく、足並みを揃えました。その独自制裁とは一体どんなものなのでしょうか。ジャーナリストの須田慎一郎さんに伺います。
高嶋)今回のアメリカの独自制裁はどういうものですか?
須田)セカンダリー・サンクションと呼ばれている二次的制裁です。これはキーワードになるのでぜひ頭にとどめていただきたい。北朝鮮に対する直接的な制裁ではなく、北朝鮮と取引のある企業・個人・金融機関などに対して、アメリカが制裁を行いますよというもので、銀行をイメージしていただくとわかりやすいです。北朝鮮と取引をした銀行はドル決済網から排除し、アメリカの金融機関はそういった銀行とは取引しませんという制裁処置です。
高嶋)商売が一切できなくなると。
須田)このドル決済は最終的にアメリカ国内の連邦準備銀行でやりますので、すべて拘束されていますし、遮断をされてしまうとドル決済ができなくなり、結果的に国際業務が全く機能しなくなるという状況になります。だからこそ中国サイドも真っ青になったわけです。中国人民銀行も傘下の銀行に対して即日、北朝鮮との取引を中止するようにという指示を出した状況にあります。
高嶋)即日というのがすごいですよね。
須田)大統領令に署名しましたので即日効力を持ってきます。そのとき以降に取引の実態が明らかになってしまったら制裁を食らう状況になりますので。
高嶋)トランプさんは大統領令にサインをしたということでもう動き出しているのですね?
須田)動き出しています。
危惧される北朝鮮のさらなる暴走高嶋)きっちり機能すると北朝鮮にとってどういうことになりますか?
須田)これは過去に例があります。2005年にマカオのバンク・オブ・デルタという金融機関がありまして、金一族の個人資産が保管されていました。そこに対してセカンダリー・サンクションを実施しましたら、途端にその銀行は口座凍結に動いたと。それに干上がって北朝鮮は何とか解除をしてくれということで六角協議に応じて来たという経緯があります。その再来をトランプさんは恐らく考えていると思います。
高嶋)これが効いたら、北朝鮮としては青息吐息の状況になるということですね?
須田)ただ北朝鮮がそこへ動くのかどうか。むしろ過激にミサイルを飛ばし水素爆弾実験もやることに動くのではないかと私は見ています。
高嶋)具体的にお聞きしたいのは、二次的制裁のセカンダリー・サンクションをやることによって、銀行や個人や企業がドルの決済ができなくなると。そうすると北朝鮮の経済がほとんど止まってしまうことになるのですか?
須田)貿易ができなくなってしまいます。全部ドル建てなので貿易代金の決済ができないということになります。わずかにロシアとのやり取りくらいが残るかもしれませんね。
高嶋)中国人民銀行もきっちりネジを締めますか?
須田)締めると思います。
高嶋)北朝鮮の暴発を心配しましたが、何か話し合いに応じてくるような気配や態度が変わっていくことは考えられますか?
須田)可能性としては低いですけど、ないわけではないです。どっちに動くのかは、今週の動きに注目していただきたいと思います。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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