イラン核合意を破棄したらどうなる?

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10/16(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

トランプ大統領「合意を認めない」
7:02~ ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター 宮家邦彦(元外交官、キャノングローバル戦略研究所研究主幹)

トランプ 大統領

ホワイトハウスで、イラン核合意について演説するトランプ米大統領(アメリカ・ワシントン)2017年10月13日 写真提供:時事通信

イランとの核合意には欠陥があった

トランプ大統領がイランの核合意に対して牙を剥きました。オバマ前大統領のやったことはとにかく嫌いだとオセロ現象で必ずひっくり返し、またひと騒ぎです。宮家邦彦さんに詳しく伺います。

高嶋)宮家さんは珍しくトランプ大統領と核合意について意見が一致しておりますね。

宮家)だって深刻な欠陥があるでしょう? 2015年の合意は簡単にいうと、イランが核開発を続けているからやめさせたいけどやめさせられない、それで8年から15年の間は活動をある程度制限をさせてその結果、核兵器ができるとしても期間がわかるようにしようと言っているだけですから。断念はしていません。

高嶋)90日ごとに報告をしろとかね。

宮家)とどめを刺せなかったわけです。その意味でオバマさんはそれまでのイスラエルとかサウジアラビアの国々との関係を犠牲にしてまでも、イランとの関係改善を急いだのだと私は思っているので。

高嶋)経済制裁でイランは非常に困窮していましたので、当時は背に腹はかえられないと。今の状況だと北朝鮮はまだ強引に突っ張っていますけど、いろいろリンクしてくるところもありますよね。

宮家)国内で強硬派と穏健派がいますが、イランはそれなりに国際法を守る国です。

今さらイラン合意を潰したところで核開発が進むだけ

高嶋)宮家さんがトランプさんと共感できるところはどこでしょうか?

宮家)欠陥があることですよ。イランが完全に核開発を断念するような内容なものではなくて、いずれ復活すると思っています。

高嶋)根本的な話ですね。

宮家)ただ国連安保理常任理事国5か国とドイツと一緒にやったことですから、簡単にはやめられないです。トランプさんが自分で破棄するには責任が大きいので、議会に下駄を預ける形で一歩身を引き「イランはちゃんとやっていない」と言っているわけです。最終的にはイラン自身に潰させたいと思っています。

高嶋)トランプさんは議会にどういう反応をして欲しいと思っているのですか?

宮家)議会がもっと「そういうならば、もっとイランに対する制裁を強化しよう」と。議会で法律をつくればできますから。イランが反発して「出て行ってやるよ!」と言ってくれたら一番いいと思います。

高嶋)先程出た主要の国とドイツの6ヵ国は納得するのでしょうか?

宮家)しないですよ。何を言っているのだと。トランプさんが「欠陥がある」と言ったことには同意しますが、今破棄をしたら大変なことになりますよ。

高嶋)さすがにトランプさんも破棄というところまで強引なことはできなかったと。

宮家)今のところはね。でも潰したいとは思っていますよ。だけどイランに潰させたら、イランが独自で核開発を再開するだけですから。ちっともいいことにならない。ここまで来た以上は、欠陥ですけどないよりはましだと。

イランへの弾道ミサイル開発への経済制裁は今も続いている

高嶋)ロウハニ大統領も相当反発のようですけど。当面どういう動きになっていくのでしょうか?

宮家)「制裁が解除されると言ったじゃないか、話が違う」と国内で言われるわけですよね。

高嶋)生活は良くなっているのですか?

宮家)希望は膨らみましたが良くはなっていないですね。核開発でウランの濃縮以外にもミサイルの開発をしています。経済がかかっているので完全に制裁が解けたわけではないです。

高嶋)ミサイルのほうは相変わらず制裁がかかっているのか。

宮家)簡単な話ではないです。

高嶋)あのときはひと騒ぎしましたけどね。アメリカも悪ですよ、本当に。

高嶋ひでたけのあさラジ!
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