佐藤優「安倍政権は国民の生理的嫌悪の段階に入ろうとしている!」
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3月29日 FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
佐川氏は国民に対して説明するという発想が全く無い
7:02~高嶋ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
真実を語らなかった佐川氏~安倍総理「国民の判断に任せる」
27日の証人喚問で具体的な説明を控えた佐川元理財局長の答弁に対し、安倍総理は「政府としてはコメントしない。国民の判断に任せる」とした。元外務省職員の佐藤優は、こうした安倍政権の姿勢は、いずれ国民に生理的嫌悪を抱かせてしまうと危険性を指摘している。
安倍総理大臣)証人喚問の議論については、政府としてはコメントしないというのが政府の立場であります。いずれにせよ国民の皆様がどのような受け止め方をされたかということについては、国民の皆様の判断に任せたいと思います。
高嶋)佐藤さん、佐川証人喚問というのは佐藤さんの目からはどのように見えましたか?
佐藤)佐川さんは非常に合理的に行動しています。佐川さんは連立方程式を立てているのです。官邸を守って財務省を守ることで自分を守るという連立方程式です。だからあれは官邸を守ることが目的ではなくて、財務省を守ることも目的ではなくて、ああいう形であれば自分が捕まらないだろうと思っている。自分のことしか考えていないです。
この男が最低なのは、国民に対して説明するという発想が小指の先ほども無いわけです。証人喚問ということの意味を完全に履き違えているわけですね。こういう官僚だった人がいるということ自体が日本の恥ですね。
彼の中には国会議員に対して真実を語る、その背後にある国民に対して本当のことを言うという発想が全く無い。言っていることは支離滅裂、なぜならば自分はいつ見たかということも言えないにも関わらず、安倍総理なり昭恵夫人の関与が無いと言えるはずが無いわけですよ。それだったら「自分の一存でやりました」と言えば「だから総理も関与していません、夫人も関与していません、自分がこの書き換えに深く関与しているのです。持ち分については今検察といろいろとやっているので言えません」と言えば説得力がありますが、見たことすら言えない、知っていることすら言えない。しかし総理と夫人が関与していることは無いということは、「状況についてお前らに説明する必要は無いから俺の言うことは信じろ」ということですよね。「そんなもの誰が信じられるか」という話ですよ。
それで総理は今紹介したように「国民の判断に任せる」ということならば、世論調査で判断してもらおうということですよね。これで国民が、「よくやった。佐川さんの説明で納得した」と納得したのだったら安倍政権の支持率が7割に上がるでしょう。しかし仮に2割台に下がるということだったら、「辞めてくれ」ということですよね。高嶋)あれでは納得したという結果は出ないでしょうね。
佐藤)ただし官邸や自民党は上手くいったと思っているのですよね。特に官邸はそう思っていますよね。というのは、特殊な情報空間の中で国民から益々乖離しているわけですよ。裏返して言うならば、国民から意識が極度に乖離している人たちが我々の首相で良いのかと、こういう問題になって来るわけですよね。
安倍政権はいずれ国民に生理的嫌悪を抱かせる~ワイドショーで扱われなくなる
高嶋)佐藤さんの目から見ると、かなりの危険水域に入っているということですか?
佐藤)その通りです。もうすぐワイドショーの視聴率が下がって来ると。これは森喜朗さんのときにそうだったのです。
高嶋)森喜朗さんのときは散々でしたからね。
佐藤)散々になると実はワイドショーで扱われなくなるのです。どうしてかと言うと、視聴者の生理的嫌悪の段階に入ったときに、顔が出てくるだけでチャンネルを変えるし“森喜朗”という名前を聞くだけでチャンネルを変えるので、視聴率が取れなくなるから扱われなくなるのです。
高嶋)その域に入りそうだということですか?
佐藤)このままだと入りますよ、こんなことをやっていると。これで北朝鮮も大変な外交敗北ですからね。それを合わせて考えると、これはもう名前も聞きたくない、顔も見たくないということでワイドショーで使えなくなると、これは本当に大変なのです。だからワイドショーで揶揄されている内はまだ良いのです。
高嶋)このままだと生理的嫌悪の段階に入るということですね。
佐藤)次の段階で注目するのは、安倍政権がどのタイミングで生理的嫌悪の段階に入るのかということだと私は見ています。
高嶋)それを安倍さんはじめ安倍内閣、自民党は気が付いていないと。
佐藤)「国民は消極的だけど私を支持しているだろう。これで関与は無いということはハッキリして、去年の国会で説明した私の言っていることが国民にも理解された」と思っている。佐川さんは捕まらないと思っていると思います。だからあそこの人たちは皆「おー、上手くいった! ツイてるな俺たち!」という感じだと思いますよ。
高嶋)でも大阪地検は動くでしょう?
佐藤)動きますこれは。地検にとっては大変な追い風です。
高嶋)あれだけ「答えられない」と言われたら地検でも動いてくれなければ国民は全く納得しないじゃないですか。
佐藤)その通りです。それから「見たかどうか」ということすら言えないなんていうのは、こんなのどう考えたって犯罪と関係無いですからね。
高嶋)だけど当人がそうは思っていないのですね。そこがすごいところですね。
佐藤)当人は上手くいったと思っています。このズレ、こういう人に我々は権力を委ねて良いのかという、それが分かったというのは非常に意味がありましたね。
見ている方向が違うのですよ。自分のことしか考えていない。自分のことしか考えていない人は官僚になったらいけないのです。公務員ですから、公のことを考えなければいけないので、ああいう自分のことしか考えていない人はなってはいけないのです。高嶋)確かに。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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