今回の日米首脳会談は戦後最も重要なものになる!

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4月17日 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!②

日米首脳会談 焦点は北朝鮮と通商問題
7:10~お早う!ニュースネットワーク その1:コメンテーター 有本香(ジャーナリスト)

日米首脳会談~北朝鮮と通商、そして中国との問題

日本時間の明日・明後日、トランプ大統領の別荘で行われる日米首脳会談。日本政府内ではアメリカが北朝鮮と通商、ふたつの問題を絡めてくることに警戒を強めている。

飯田)北朝鮮に対して「日本を守ってやっているのだから通商で譲歩しろ」と迫ってくるということなのでしょうか? このふたつの問題を絡められると日本は非常に辛い。

有本)北朝鮮の情勢が今までにないほど緊迫している状況もありますが、戦後の日米の関係は、実はずっとこんな感じでした。「日本を守ってやっているのだから言うことを聞け」の歴史が何回も繰り返されてきた。そういう意味では今回のことも既視感のある日米関係そのものです。でもこれまでと様相が変わってきた点もあります。今までは朝鮮半島有事も含めてアメリカは「守ってやってるぞ」の一辺倒でしたが、今や北朝鮮がアメリカ本土を狙おうかというレベルにまで達してしまった。

飯田)危機のレベルですね。

有本)そういう意味では、二国間関係が従来とは違うところに来ていることも間違いない。
北朝鮮と通商問題、そして中国との問題も含めて考えると、自民党議員の河井(克行)外交特別補佐が仰るように、戦後のあらゆる外国首脳との会談の中で、今回の日米首脳会談は最も重要なものになる。これは私もそうだと思います。

日本の安全保障は日本が自主的に担っていくべき

飯田)今後、もし米朝首脳会談が行われたとして、その出方次第では、日本の安保環境はガラリと変わってくるのでしょうか?

有本)変わりますね。というか変わらざるを得ないという状況に追い込まれてしまう。あるいは前々から私は申し上げているのですが、通常の国と同じように自分たちの安全保障は自国で主体的に担っていく、その上での日米同盟だと、そういう関係にシフトせざるを得ないわけです。ただ朝鮮半島の問題と同時に今、アメリカは中国やロシアともバチバチやりあっています。

飯田)シリア問題では、これからロシアに追加制裁という話も出ています。中国に対しては貿易赤字をなんとかしろと。

有本)通商問題ですよね。その中で5月には中国の李克強首相が来日します。最近、中国は日本側に秋波を送ってきています。

飯田)日中のハイレベル経済協議をと。とにかく日米首脳会談の前にやってやってやって! と。

有本)中国としてはアメリカに対抗するのに、日本を自分の方に引きずり込んで、日米の間に風を吹かせるという意味もあるのだと思いますが、ここは上手く使ったほうがいいです。もちろん中国に対して日本は言わなければいけないことがたくさんありますし、中国側に譲歩を迫る、という部分もなくちゃいけない。通商において、アメリカがTPPに復帰なんてことを言いだしています。

飯田)トランプさん、口走りました。

アメリカと日本の主導でアジア太平洋地域に自由で公正な経済圏を作るには

有本)トランプ大統領が今まで言ってきた保護主義的な部分、ここを日本は押し戻さなければいけません。アメリカがTPPに復帰するというのであれば、当初の目的通りに日米を中心としたアジア太平洋地域に自由でルールに基づく公正な貿易圏を作る。それによって中国の価値観を排除していく、ということをしていかなければいけない。しかしアメリカは今年中間選挙を抱えていますので、日本や中国に対して強く出ざるを得ない。そこで日本は「中国と日本はそこそこうまくやってまっせ!」ということを見せながら、終局的にはTPPの目的であった形にどう近づけていくのか。多国間との力関係をうまく使いながら最終的な目的の方向にどう誘導していくのか。これは安倍外交の正念場です。

飯田)まさしく国益ということですよね。アメリカをうちにこもらせずアジアにコミットさせ続ける。経済の面でも安全保障の面でも。

有本)結局、TPP復帰とアメリカが言い出している、当初の目的の通りアメリカと日本が主導してアジア太平洋地域に自由で公正な経済圏ができれば、これはすなわち安全保障となるのです。中国的価値観に侵食されないという意味での安全保障でもあるわけです。
それを絡めながら、たとえば南シナ海の問題、東シナ海の問題、そして朝鮮半島の問題と、トータルで見て、アメリカに対して言うべきことは言っていく、そして日本がより自律的な方向にいく。さらに中国の力というものを、中国そのものは警戒しなければいけない存在なのですが、今回アメリカと向き合っていく上では、中国側とコミュニケーションをとっているということも、外交上うまく使わざるをえない。今はそういう状況に来ているということだと思います。

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