小柳ルミ子のルーツとなった母親の存在

By -  公開:  更新:

4月26日放送 ゲスト:歌手・女優 小柳ルミ子 第4回

小柳ルミ子のルーツとなった母親の存在

大のサッカーファンであり、その論客としても注目される小柳ルミ子が初めてのサッカー本『パスコースがない? じゃあ、つくればいい。——ルミ子の勝手にサッカー学』を上梓。これは年間2,000試合を観戦する彼女の独自の視点から書かれた「サッカー学」の書である。


初舞台後に宝塚を辞め、朝ドラでデビュー

黒木)毎日、さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺っていくあさナビ、今週のゲストは歌手で女優の小柳ルミ子さんです。ルミ子さんは宝塚の大先輩ですけど、すぐお辞めになったんですよね。

小柳)初舞台踏んで、すぐに辞めちゃいましたね。もう、ずいぶん昔のことなので忘れちゃったけど……

黒木)でも、組に入らないでお辞めになった。最初はNHKの朝ドラでデビューしたそうですけど、それが決まっていたのでお辞めになったんですか? どうして、宝塚に入られたんですか?

小柳)明かせば、もともと宝塚に長くいるつもりはなかった。あくまでも最終目標は「歌って踊れる人」でした。

黒木)でも、宝塚も歌って踊りますよ?

小柳)そこは、通過点で。高校に行って学問を勉強するよりは芸事をさらに勉強して、歌手になりたい。それが、子供の頃からあって。だから、宝塚が最終目的ではなかった。


子供の頃から8つの稽古ごとを行っていた

黒木)ルミ子さんはどうやって福岡にいたときに、宝塚に?

小柳)母が調べたの。もう、優秀なマネージャー兼プロデューサーですよ、ウチの母は。3歳の頃からクラシックバレエを初めて、8つお稽古ごとをしていて。

黒木)8つですか?

小柳)クラシックバレエ、歌、ピアノ、ジャズダンス、タップダンス、日本舞踊、三味線、習字。

黒木)本当に芸能人になるべくして、そういうものをお母さんが「しておけばいい」と?

小柳)そうね。本当によくやってくれました。お金もかかったでしょうし、どこのどの先生がいいのかも調べて……

黒木)福岡時代の話ですよね。福岡に、そんな素晴らしい先生方がいらっしゃった、ということですね。

小柳ルミ子のルーツとなった母親の存在

全部自分で決断させた母親

小柳)母がいちばんスゴかったと思うのは、全部自分で決めさせたことです。親が「こうしなさい、こうしちゃダメ」と言わない。「嫌なら辞めれば? 自分で決めなさい」と。決断を子供にさせたことが、後々、「この人スゴいな」と思った。普通、親は「これやっちゃダメ!」と言うじゃない?

黒木)先回りしますしね。

小柳)先が見えるから手を差し伸べたくなるのも親心だし。でも、ぬかるみにはまるのが分かっていても手を出さない。その親の強さはスゴいと思ったの。

黒木)だから、ルミ子さんは強さのなかに孤独が見えるんですね……

小柳)そうかな。そうかもしれない。

黒木)そこで孤独のときに、必死で戦ったわけですね。

小柳)そうですね。だから、私はいま本当に感謝している。

黒木)感謝以外の言葉がないですよね、本当に。


恩師である平尾昌晃さんに才能を見出された

黒木)去年7月に亡くなられた、作曲家の平尾昌晃さん。この先生もルミ子さんにとっては大切な恩師でいらっしゃると思いますけれども。

小柳)歌手としての父親、ですね。あのときも私の目を見て、「この子はいいよ」と事務所に言ってくださって。だから、私の歌声を聞いたとかではなく、顔と目を見て……

黒木)それだけで。声を聞いていないで?

小柳)そうなの。それもスゴいでしょ?

黒木)スターを発掘する、素晴らしい先生の才能があるんですね。それに応えたルミ子さんもまたスゴいですけど。

小柳)だから、「人の心を打つ」というのは、何か醸し出す情熱とか、人をとらえて離さない目力とか、あるんだなぁ、と。

黒木)目に見えない力があるんですね……

小柳ルミ子/歌手・女優
小柳ルミ子のルーツとなった母親の存在

1952年生まれ。福岡県出身。
筑紫女学園中学校卒業後、宝塚音楽学校に入学。
1970年、宝塚音楽学校を卒業後、NHK連続テレビ小説「虹」で女優デビュー。
1971年、平尾昌晃プロデュース「わたしの城下町」で歌手デビュー。大ヒットを記録し、日本レコード大賞最優秀新人賞を獲得。天地真理・南沙織らとともに「三人娘」と呼ばれ、一躍大スターとなった。
その後も「瀬戸の花嫁」「お久しぶりね」などヒット曲を連発。NHK紅白歌合戦にも18年連続出場するなど、歌手として大活躍を続ける。
また女優としても活躍し、1983年公開の「白蛇抄」では日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞を受賞するなど、映画・ドラマで活躍。
最近はサッカーファンとしても知られ、年間2,000試合以上を観戦。書き溜めた観戦ノートは100ページ以上。サッカーの解説を担当したこともある。
4月26日には独自の視点からサッカーを語る、『パスコースがない? じゃあ、つくればいい。~ルミ子の勝手にサッカー学』という本も出版される。

(2018年4月26日放送分より)

ENEOSプレゼンツ あさナビ
FM93AM1242 ニッポン放送 月~金 6:43~6:49

番組情報

黒木瞳のあさナビ

毎週月曜〜金曜 6:41 - 6:47

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

Page top