日本時間の7日、トルコで行われた「イスタンブール・オープン」の決勝で、チュニジアのマレク・ジャジリを破り、ツアー初優勝を飾ったダニエル太郎選手。日本の男子選手がツアーで優勝したのは、松岡修造、錦織圭、杉田祐一に次いで史上4人目の快挙です。
1993年、ニューヨーク生まれの25歳。お父さんがアメリカ人、お母さんが日本人のハーフですが、国籍は日本を選択。一昨年のリオデジャネイロ・オリンピックでは、錦織とともに日本代表として出場しています。
身長190センチの長身選手ですが、錦織のように、スーパーショットでねじ伏せるのではなく、辛抱強くラリーを続け、泥臭く勝つタイプ。今回の決勝戦も、持ち前の粘り強さを発揮し、みごと栄冠を手にしたのです。
幼い頃は日本で暮らしましたが、14歳のときにお父さんの仕事の都合で、スペインに移住。バレンシアのテニスアカデミーで腕を磨きました。2010年にプロになり、一段一段コツコツと階段を上がってきました。
今年3月、元世界ランク1位のノバク・ジョコビッチを破って注目されましたが、今回の優勝については、
「努力と運が重なって結果が出た」「僕は自分の成長の過程を常に信じてきた。すごく楽しい道のりだった」
とコメント。時間は掛かっても、焦らず地道に頂点を目指す、それがダニエル流です。
当初この「イスタンブール・オープン」に出場する予定はありませんでした。2週前に行われた、この大会の下部大会で初戦敗退。これでは、本戦には進めないだろうと考え、同じ週にポルトガルで行われる別な大会の予選にエントリー。そちらに出るつもりで、現地入りしていたのです。
ところが「イスタンブール・オープンの本戦に出られますよ」という報せが直前になって届き、慌ててポルトガルから4,000キロ離れたイスタンブールへ直行。まさに「飛んでイスタンブール」ですが、その結果が、嬉しいツアー初優勝につながったのです。まさに人生、何が起こるか分かりません。
昨日発表された最新の世界ランキングでは、前回の114位から、自己最高の82位まで順位を上げ、20位の錦織の背中がうっすらと見えてきましたが、「これで浮かれたりしない」というダニエル。さらなる飛躍を期待しましょう!
5月8日 飯田浩司のOK! Cozy up!「スポーツアナザーストーリー」
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