5/21　FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ！②

河野外務大臣～中南米諸国向け演説で北朝鮮への圧力維持を強調
7：10～お早う! ニュースネットワーク その1：コメンテーター須田慎一郎（ジャーナリスト）

2018年5月20日、ブラジル・サンパウロで、中南米諸国向けに演説する河野外相（右）（共同）　写真提供：共同通信社

北朝鮮問題～圧力があってこそ、対話が行える

南米訪問中の河野太郎外務大臣は昨日、ブラジルのサンパウロで、中南米諸国向けに演説し、「北朝鮮に非核化への具体的な行動を促すため、対北朝鮮制裁を緩和するタイミングを間違ってはならない」と、国際社会が一致して圧力を維持する必要があると指摘。

飯田）「対話か圧力か」と言われますが、今日の世論調査では「対話の方がいいのでは」という意見が半分ちょっと。世論も割れている感じがあります。
日本国としては、「まず圧力があって、だからこそ、対話ができる」という姿勢ですね。

須田）これは正しいと思います。「対話か圧力か」ではなく、「対話も圧力も」なのですよ。圧力だけではもちろん問題解決できないし、対話だけではなかなか話が進まない。そうすると、「圧力をかけているなかで、相手（北朝鮮）に考え直す時間を与え、対話路線に持って行く」は、正しいやり方だと思います。
もう1つ。一時期日本だけが突出して「圧力だ」と言っているように思えたけど、逆に言えば、ここに来て北朝鮮はゆさぶり路線に入ってきています。北朝鮮は非常に外交が上手い。ゆさぶりをかけ、譲歩を引き出すのを得意としてきた。それを受けて韓国は右往左往している状態が見て取れますから。

飯田）先週末くらいに、「米朝首脳会談をやらないかもしれない」と言ってきて。その辺はゆさぶりをかけてきているという事ですか。

須田）軍事演習も「Bｰ52を飛ばさない」とか、譲歩している。それはある意味で、北朝鮮の術中にハマりつつあるとも言えます。

飯田）今日は豊渓里の核実験場の爆破についても、「23～25日間にやる」と言っていたのが近づいています。いろいろなボールを向こうは投げてきますね。

須田）韓国が取材団の名簿を出したら、北朝鮮が受け取り拒否するような、ちょっと子供っぽいゆさぶりもかけてきています。その点で考えると、米朝首脳会談が開かれるまでは、予断は許さないですね。

駆け引きの応酬が続く米朝

飯田）日本国内もそうですが、1つ1つ報道を受けて、「トランプさんはものすごい譲歩をしてしまったのでは？」とか、「日本は蚊帳の外じゃないか」とか、いろいろ意見が出ますが、結局のところどう決まっていきますか？

須田）最終的には、もちろん北朝鮮はトップでしか、金正恩委員長しか物事を決められない。アメリカも似た状況で、すべてトランプさんの胸先三寸みたいなところがあります。結果的に首脳会談までは何も物事が決まらない。

飯田）先ほど「圧力をかけたから対話が～」と仰いましたね。確かに「3月頃、軍事作戦について具体的にトランプさんが指示していた」という記事を週末に共同通信が打っていましたが、瀬戸際ギリギリまでアメリカは圧力をかけ続けていたんですね。

須田）圧力をかけ続けているし、このタイミングであのニュース。もちろんあれはアメリカメディアの報道を受けて共同通信が配信しているのです。あの情報がアメリカメディアにリークされたのも、北朝鮮へ向けての1つのゆさぶりですよ。

北朝鮮が最優先に求める体制保証

飯田）ボルトンさんは「リビア方式だ。まずは核を全部廃棄しなければ、制裁解除もない」と言っていて。
それに対して北朝鮮は「ボルトンがああ言うなら、首脳会談を無しにするぞ」と反論してきた。各役者がいろいろと動きを見せている。化かし合いですか？

須田）駆け引きでしょうね。どちらが多くポイントをゲットできるのか、双方で駆け引きが行われているのだと思います。
とはいえ、最終的に北朝鮮は何かの形で核放棄しなければ、体制保証が得られない。北朝鮮にとって優先順位が高いのは経済支援とか経済協力ではなく体制保証ですから。それが得られなければ、軍事攻撃も視野に入れた体制崩壊を受け入れなければならない状態にもなりかねませんから。この交渉は北朝鮮から降りるわけにいかないのです。
もともと、北朝鮮はずっと米朝の直接交渉を望んでいた。トランプさんが出てくるまでは、アメリカは2国間交渉については否定的で、多国間で物事をやっていた。その意味では、アメリカが交渉に乗り出してきたのは、北朝鮮から見ると「してやったり」みたいなところがありますから。「このチャンスを逃すわけにはいかない」という気持ちがあると思います。

飯田）いろいろ言うけど、壊すまでにはいかない、と。6月12日の首脳会談までまだ3週間あります。

須田）いろいろ出てくるでしょうね。それも踏まえて、アレコレ判断するのは間違いだと思います。

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