北朝鮮「米朝会談再考を示唆」の意味するところ
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5/17 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①
北朝鮮は「一方的に核放棄強要なら米朝首脳会談を再考」とアメリカを牽制
7:00~ガチンコ ニュース UP!:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
駆け引きのなかでの北朝鮮の発言~アメリカとしては想定内
北朝鮮は昨日、長年アメリカとの交渉に携わってきた金桂冠第1外務次官の談話を発表し、「一方的に核の放棄だけを強要しようとするならば、米朝首脳会談に応じるかどうか、再考せざるを得ない」として、史上初の米朝首脳会談を取りやめる可能性を示唆し、トランプ政権を強く牽制した。
飯田)いままでの北朝鮮の感じを見ていると、「やっぱりね」と思いますね。
鈴木)「おそらくアメリカは北が今回のように言ってきて、駆け引きになることは十分予測しているはず」と外務省OBの方も話していました。まさに駆け引きです。北は米韓合同訓練に対して、黙って「どうぞ」と言うわけにはいかない。逆に言うと、米韓にしても止めるわけにはいかない。そういう駆け引きのなかで、互いも見ているけれど、自分の国も見ている。
いまの北朝鮮の場合、中国という後ろ盾もある。そういう関係のなかで、米韓との交渉の駆け引きとしてこういうことが出て来るのでしょう。
大きな流れのなかで、米朝首脳会談が本当にダメになるというような、その流れをガラッと変えるほどの意趣ではないと思います。飯田)とりあえず言ってみるだけ、という感じですか。
融和ムードに流されず、冷静に厳しく外交を見るべき
鈴木)ただ、考えておかなければいけないのは、やたら平昌オリンピックの頃から、融和ムードが出ていますよね。メディアもそういう論調も出ている。だけど、本当に最後の最後まで、これは分からないと警戒心をどこかで常に持っておかなければいけないと思います。
すべてが融和で進むか? 北が本当に核を完全放棄するかどうか? つまり交渉の最大のカードなわけでしょう? だから、そういう意味では米朝首脳会談が行われ、何が話し合われるか。その瞬間まで「融和だ!」と安心しきって外交を見ているだけではダメ。日本政府はそういうことも想定するなかで、冷静に見ておく必要があります。
この融和の空気のなかにズブズブと入っていると、また何か起きたときにハシゴをはずされることになりますから。日本はちょっと外野席みたいなところから、厳しく冷静に見る外交姿勢が必要だと思います。ギリギリまで、何が起こるか分からないです。飯田)確かに、融和にズブズブで、プランBみたいなものを忘れている感じがありますが、それでは何か起きたときにただオタオタするだけになってしまう。
鈴木)外交は駆け引きで、「自分側が100%譲る」はあり得ない。「国益対国益」なのだから、北にも絶対に譲れないところはある。これはまだ見えていない。なので、最後には喧嘩であり、駆け引きであると頭に入れておかなければいけない。
逆に言うと、今回の件はそこまで騒がず、「当然こういうことはあるよね」と、冷静さが必要かもしれません。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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