ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（7月24日放送）にジャーナリストの有本香が出演。今日で開催まで2年となった東京オリンピック。暑さの問題に加え、もう一つの問題である輸送計画のずれについて解説した。

7月に始まる東京オリンピックの暑さ対策問題

2020年の東京オリンピックの開会式まで、今日7月24日であと2年となった。マラソンの開始時刻が午前7時半から7時に、男子50キロ競歩が午前7時半から午前6時へ、スタート時間の変更がなされるなど、暑さ対策に注目が集まっている。

飯田）スケジュールが出てきました。24日開会式が行われますが、その2日前からソフトボールやサッカー女子は開始される予定です。この暑さでやるのか、という問題があります。

有本）競歩やマラソンで開始時間を見直すというのは当然のことですが、暑さ対策でいうと、アスファルトの上に塗装をすると照り返しが少なくなるんですってね。それだけでも体感気温がずいぶん違う、というようなことを言っています。屋外で観戦するもの、マラソンや競歩、ボート競技などでは、沿道だけ、ミストをまくとか何か特殊なことを考えるそうです。ここは技術を駆使すればいい。良いことではないけれど、ロケットみたいなもので上空を刺激するみたいな手もあります。

飯田）北京オリンピックのときに使いました、先に雨を降らせちゃえと。

大きな問題～輸送計画のずれ

有本）あれは天気を調節するという意味合いがあったそうですね。気温対策というのは絶対に必要ですから、様々考えなければならないですけど、私はこの2年を切っているなかでやはり心配なのは輸送計画がまだ確定していないという事です。小池都知事はここにきてメディア露出を増やしていて、頑張っていますと強調されていますが、頑張っているというのは当然の話です。暑さ対策も重要ですけど、ご自分が築地市場から豊洲市場への移転を遅らせた結果、2年遅れている訳ですが、これによって専用道路にするつもりだった環状2号線が予定通り通らないという事。それから築地市場に予定していた4,000台分の車両基地、これが半分くらいしか使えない。となると都内に分散して車を置くことになり、一部は東京都の外になるかもしれない。この輸送計画のずれは、警備の点から考えても、かなり大きい問題となりそうです。

飯田）都の外からバスが大挙してやってくるということになりますから、交通渋滞が激しくなると考えられます。

有本）それからテロ対策。ドローンを使うなど様々な計画をしているようですが、これはあまりつまびらかにされないでしょう。全部つまびらかにされたら意味がないので。だけどそういったことも、ある程度集約的にやれるはずだったことが、できなくなるわけです。

飯田）分散してしまう事で。

輸送ルートの工期の遅れを表明すべき

有本）今の時点で、駐車場が決まっていないから輸送ルートが全部確定していない。そう考えると工期の遅れは非常に大変です。
オリンピックというのは通常の都政とは違うものですが、小池都知事が就任した時点でオリンピックが迫っていることは分かっていたはずです。都政の透明化にこだわるあまりに発生したこの2年の遅れによって、いろんな問題が生じつつある。これについて対策しなければならないと、はっきり表明すべきですよ。

飯田）鉄道に関して、現状で朝の首都圏は電車が遅れることもしばしばです。これがオリンピック期間中さらに需要が増えていくとなると、どうなってしまうのかと、専門家でも危惧されている方もいらっしゃいます。

有本）時差ビズというのをアピールされていましたけど、もう、そういう段階ではありません。

飯田）鉄道博物館を取材したのですが、40年前の駅の様子が再現されていて、そこにすでに時差通勤しましょうと出ていたんです。昔から言ってるけど、やれていないんですね。

有本）私もまだ会社員だった20年前にも言ってましたが、まだやれていません。
これは今の都知事のせいではないけど、都心への集中が緩和されていないんです。もっと分散できたものが全くなされていない。東京都心への一極集中がさらに進んでいます。どんどんビルも高層化しています。ということはやっぱり都心に日中人が集中して集まる構造になっているんです。だからこれをオリンピックの期間中どうするのか、というところですよね。

飯田）休ませるわけにもいかない。知恵を絞っていかなければいけません。

飯田浩司のOK! Cozy up！
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