日本の猛暑~東京オリンピックで心配されること
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月19日放送)にジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰が出演。近年の日本の猛暑に対して、2020年の東京オリンピックではどのように対処するか考察した。
オリンピック競技~暑さに配慮した大会を強く意識
2020年の東京オリンピックの競技の大枠が昨日固まった。マラソンなどの屋外種目について開始時間を招致したときの計画よりも前倒しするなど、酷暑の大会を強く意識したものとなっている。
飯田)7月24日が開会式です。まさに2年後のこの時期ですね。マラソンとか、競技の目的が変わってきますよね。
富坂)別の意味で我慢大会になりそうですよね。
飯田)昨日、メインスタジアムとなる、建設中の新国立競技場を取材してきました。選手の視点はまだ出てきていませんが、「作っている職人さんはこの暑さをどうしているのか?」を、新国立競技場設置本部長の望月禎さんに熱中症対策を伺ってきました。
望月)新国立競技場は1周800メートル。外周で1,400メートルあります。だから、随所に休憩室を置いているのですよ。ローテーションで休憩をとりながら作業をして、その間にしっかり休んでいただく。
それから、水分補給が非常に大切だと思っています。少し塩分が入った飲み物をいくらでも飲めるようにしています。
飯田)選手たちはここで2年後に戦うわけですが、その前に同じ場所で戦っていらっしゃるのがこの職人さんたち。作る方でもこれだけ配慮しているのに、選手は大丈夫なのかな、と思ってしまいます。
オリンピックだけの問題ではない異常な猛暑のレベル
飯田)アジアでの夏季オリンピックは2008年の北京オリンピックを思い出しますが、当時は暑さ対策、何かありましたか?
富坂)単純に比較すると、北京の方が気温が高いときはあります。しかし、乾燥しているので過ごしやすさが日本と全然違うのですよ。
飯田)やはり大陸はカラッとしていますか。
富坂)少し日陰にはいると全然ラクです。だから、身体に対する負担が違う気がしますね。
飯田)確かに、あのときはあまり暑さについて報道されていなかったですね。
富坂)むしろ、PM2.5などの大気汚染についてでしたね。無理矢理、何千の工場を止めて、人工的に青空を作り出しました。
飯田)オリンピック・ブルーという言葉がありましたよね。
富坂)降雨弾を使って雨を降らせたり。特殊な雲を雨に落とす薬品を空にばらまいて、ずっと青空を作り出していましたね。
飯田)いまの東京の暑さは、局地的なゲリラ豪雨はあるけど、雨が降らないですよね。
富坂)都市が持っている熱を放出する機能がありますよね。そういうことも考えて、バランスを考えていかないと。もう2,400人近くが搬送されるような状況になってくると、人間の住むところとして、オリンピックだけでなく長期的に考えた方がいいかもしれません。
飯田)確かに。それがちゃんとしたレガシーなのかもしれませんね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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