初めて自民党総裁選を取材して

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ニッポン放送報道部あいばゆうな記者の自民党総裁選の取材レポートを紹介する。

当選者会見する安倍総裁

自民党総裁選は、前評判通り、安倍総裁の勝利に終わりました。安倍晋三候補が議員票329票、党員算定票224票、合計553票を獲得。石破茂候補が議員票73票、党員算定票181票、合計254票を獲得しました。

安倍晋三総裁は票数では勝利したものの、事実上は、石破茂元幹事長に合計250票以上取られる苦しい展開となり、特に議員票では、蓋を開けてみると「かくれ石破派」がいたということになります。

勝ちが決まった瞬間、安倍総裁は大きな拍手の中、その場に立って左右と後ろに礼をしましたが、笑顔はありませんでした。口を一文字にし、頭を下げる姿が印象的でした。

両院議員総会で万歳をする両候補

一方、負けが決まった石破元幹事長は、笑顔で顔の横、高い位置で拍手を送っていました。その後、総裁選会場から出てきた石破元幹事長は、負けたという雰囲気が全く感じられず、ニコニコというよりニッカニカという言葉が合いそうなほどの満面の笑みでした。

渋谷で最後の街頭演説を行う石破茂氏

私が初めて総裁選の取材をしてみて、石破陣営の会見の取材では、周囲が気軽にものが言える雰囲気を感じました。石破元幹事長は、総裁選で主張する政策について、テーマごとに複数回会見を開いていました。基本的には、時間の許す限り会見を続け、報道陣の質問に回答します。しかし、ある会見の時には、後ろの予定があるにもかかわらず、石破元幹事長が手を上げる質問者を次々に当ててしまうため、司会者から「先生も簡潔に答えてください」と指摘されるなど、笑いを誘う場面もあり、ちょっとしたところで、陣営の健全さが見えたように思いました。

一方、安倍陣営に関しては、石破派の斎藤健農相が、14日に千葉市で行われた会合で、安倍総裁を支持する国会議員から「石破氏を応援するなら、農相の辞表を書いてからやれと圧力を受けた」と話したと報じられるなど、周囲が気軽にものが言えないために忖度をする。そんな空気の常態化の一端が見えたような気がしました。

安倍総裁の最後の街頭演説は、“あの”秋葉原

また安倍総裁は最後の総裁選の街頭演説の場所に秋葉原を選びました。東京都議選の千代田区候補の応援演説の際に巻き起った「帰れ」コールに対して、「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」と発言して、惨敗を招いた因縁の場所ともいえます。
今回の最後の街頭演説では、安倍総裁が到着するよりも前から「安倍やめろ」コールが。都議選の時ほどの熱気ではありませんでしたが、一般の人が演説を聞くことのできるエリアでは、安倍総裁の演説内容を聞き取ることが難しい状況でした。

今回の総裁選は、合計票数だけ見ると、安倍総裁の圧勝ではありますが、求心力の陰りも感じられる結果となりました。来月頭には、組閣などが控えていますが、石破元幹事長を支持した小泉進次郎議員や石破元幹事長本人の人事要請にも注目が集まりそうです。

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