進次郎氏が投票直前に石破氏支持を明かしたのはなぜか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月21日放送)にジャーナリスト・東海大学教授の末延吉正が出演。自民党総裁選について解説した。
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【政治 自民党総裁選】連続3選を果たし、石破茂元幹事長(左)を手をあげる安倍晋三首相=2018年9月20日午後、東京・永田町の自民党本部 写真提供:産経新聞社
自民党総裁選、安倍総理が石破氏を破って3選を果たす
自民党の総裁選、安倍総理が石破元幹事長を破って3選を果たした。任期は3年。このまま総理大臣を務めた場合、来年8月には佐藤栄作さんを抜いて戦後最長に、来年11月には桂太郎さんの2,886日を抜いて憲政史上最長の在任期間となる。
ただ、議員票で石破氏は50票前後かと思われていたなか、73票という結果になり、議員票は石破氏に流れたものも一部あった。その筆頭格、石破氏に投票した小泉進次郎議員。
小泉)私は石破さんに1票を投じましたけれども、日本のこれからの発展は「人と違う」というものを強みに変えられるか。だからこそ自民党自身も、違う意見を押さえつけるのではなくて、違う声を強みに変えていく。そんな思いから私なりに判断して投票しました。
飯田)進次郎さんは記者団のぶら下がりに応じて「石破さんに入れました」と。表明したのも投票の直前でした。
どっちつかずの印象の小泉進次郎氏
末延)昨日の朝、一斉に流れた話題ですよね。なぜかというと、本当なら「圧力があった」と発言して泥試合にした齋藤農水大臣も進次郎さんも執行部なのですよ、筆頭副幹事長だから。現職の安倍政権ではなく石破さんを応援すると言うのなら、最初に職を辞して「自分たちは石破さんの政策でやる」と、昔の中選挙区時代なら自民党の人はみんなそうしたのです。ところが、それをやってしまうと冷や飯組になるかもしれない。影響を与え過ぎるのが怖いから黙っていた。最初は岸田さんを応援しているのではないかと言われていたのですよ。岸田さんが出馬していれば、いまとは少し違う景色になっていました。
党員票の投票が締め切られるまでは何も言わない。自分があまりディープインパクトなことをすれば、政権に弓を引くことになる。でも、安倍さんに擦り寄ったと思われるのも良くないと思って、昨日「石破さん」と言ったと。どっちつかずです。爽やかでパフォーマンスも良いし、真面目だしとメディアがとても大きな進次郎像を作り上げたけれど、やっぱり今回はがっかりだという声が随分聞かれました。期待し過ぎなのだと思います。
石破票はメディアが仕掛けた安倍倒閣キャンペーンの受け皿としてのもの
飯田)この記者団の質問に応えて「ネクストバッターズサークルばかりが映っては駄目だ」ということを言って、そうしたら萩生田光一さんがBSの番組のなかで「よっぽど自信があるんですね」ということをおっしゃっていて。けっこう冷えた空気があるわけですか?
末延)齋藤さんにしても、若い議員とのやり取りのなかで「何で石破さんに投票するのに辞めないの」と言われたくらいで、別に安倍さんが圧力を掛けたという話ではないのですよ。しかも石破さんも政策、政策と言ったけれど、例の憲法のいちばん重要なところ、交戦権を否定している9条2項の削除のことを言わなかったでしょう。これは安倍さんのサイドから見ていると少しずるいという声もありました。
飯田)石破さんの長年の持論なわけですよね。
末延)結局何をやりたかったのかというと、この2年続いたリベラル系のメディアが一生懸命にやってきた、安倍倒閣のための「モリカケ」はずるそうだという総理大臣像に対して、受け皿として石破さんに票がいったと。これを全て「石破さんの実力で、凄いんだ」という風に新聞は書いていますが、新聞やテレビが「アジェンダ・セッティング」をして作り上げていった部分があるかなと思いました。進次郎さんも、本物になるかどうかはこれからです。メディアが悪いのですよ、すぐに持ち上げたりするから。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00