山口代表が背負う「公明党を立て直すための2つの使命」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月20日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。公明党の山口代表に課せられた使命と、それが自民党に及ぼす影響ついて解説した。
公明党の山口代表が6選確定~内閣改造の顔ぶれはどうなるのか?
公明党の山口那津男代表の無投票6選が昨日確定した。代表戦の立候補受付が締め切られ、山口氏の他に届け出はなかった。これを受けて、早くも自民党総裁選後の内閣改造に注目が集まっている。
飯田)正式に承認されるのは、今月30日の公明党の党大会です。そこで、公明党側の執行部も顔ぶれが決まります。今日の産経新聞の1面記事では内閣改造・党役員人事は、自民党側は来月1日と書かれています。ほかでは2日という説もありますね。
鈴木)表向きの理由は外遊などいろいろあります。
しかし、1つ大きな要素は沖縄県知事選挙だと思います。30日に投開票ですから、内閣改造が選挙に与える影響も出てくる。いろいろなことも考えて、その後だと思います。
山口代表の使命は世代交代と参議院選挙の勝利で公明党を立て直すこと
鈴木)公明党の話でいくと、山口代表についてです。僕は公明党のポイントは2つあると思います。
1つは、世代交代です。この前取材していたら公明党のある幹部が、「15年以上、公明党の幹部は顔ぶれが変わらない。世代交代が上手くできていない。これが最大の課題だ」と言っていました。
これは難しい話です。選挙などを考えると適材適所ですから、選挙が近いのに幹事長を変えたりできない政局の場面もあったわけです。でも、どこかで決断して新しい若手を登用していかないと、変わらない。そういうことを山口さんの総仕上げとして、世代交代を意識した党内人事や抜擢など、重い仕事として来るでしょう。
もう1つは、公明党は去年の総選挙の結果、自民党と一緒に政権をやっています。
しかし、公明党は去年の総選挙で惨敗しているのです。だから、「ここで本当に立て直さないと大変」という危機意識がとても強いのです。
飯田)2017年の総選挙で、比例の票が、公明党は700万を割りましたよね。
鈴木)本来なら公明党にしてみれば700万は絶対に組織票として入る数字でした。そこへさらに積み上げて、一時期には1,000万を目指すくらいの目標だったのが、その700万を切ってしまった。これは非常にショックです。だから、何とかして立て直す。そのためには、来年の統一地方選挙と、参議院選挙。ここがある意味立て直しの天王山みたいな部分があるのです。
飯田)公明党は、非常に地方選挙というのも重視しますからね。
鈴木)一時期、街角のポスターで「チーム3000」というのがありました。全国の地方議員の数です。それだけ公明党は地方議員に力を入れていて、そこがアンテナで地域や市民の情報を得て政策にしていくのです。だから、地方選挙は基本だし、ものすごく力を入れているのです。
それと、参議院選挙は、選挙区で2016年に3つ(福岡・愛知・兵庫)増えました。また新たに出すわけです、参議院選挙は3年おきだから。これは絶対に勝たなければいけない。勝つことによって公明党をしっかり立て直す。だから、その必勝が、山口さんにとって非常に大きな仕事になります。
公明党の動きが安倍総理の目指す憲法改正にも大きく影響する
鈴木)ここで考えなければいけないのは、おそらく公明党は勝つために、来年の参議院選挙までは憲法改正に慎重姿勢で来ると思います。すると、安倍さんはいま憲法改正を目指していますが、来年の夏くらいまでは公明党の協力がなくては3分の2に届かず発議できない。つまり、公明党の方向によって、安倍さんや自民党政権にも影響が出てくるのです。
しかし、どちらにしても公明党は「ここでもう1度引き締めなければいけない」という危機感と深刻さを持っています。山口さんは今回代表になって、「また頑張ります」という話ではない。世代交代と立て直しの2つを背負うことになりますね。
飯田)難しいですよね。組織引き締めとなると、慣れたベテランが要職に就いてやってくれればいいけれど、そうなると若手の引き上げができない。
鈴木)だから、それを変えるのはすごく難しい決断だと思います。
飯田)すると、9月30日の役員人事は1つポイントになりますね。
鈴木)公明党としては、非常に大きな節目になると思います。
飯田)そうなると、今度10月1日の組閣で、誰が公明党から大臣に来るかという話にもつながってくる。今月末、1つの山場を迎えそうですね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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