トランプ政権が中国へさらなる追加関税~このまま行くと中国の孤立も

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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(9月18日放送)にジャーナリストの有本香が出演。トランプ政権が発表した中国へのさらなる経済制裁について解説した。

トランプ政権が中国に対し22兆円の追加関税を24日に発動

トランプ政権は2,000億ドル、日本円にして22兆円相当の中国からの輸入品に追加関税を課す制裁の第3弾を、24日に発動すると発表した。なお、この関税は、当初は10パーセントとして、来年に25パーセントに引き上げると発表。アメリカ政府高官はこの発動の理由について、知的財産権などの侵害を巡って中国の姿勢が変わらないからだと説明した。

飯田)いよいよこの制裁が発動。24日にということですけれども。大きいですね、22兆円。

有本)大きいですね。ですから今後の推移は見ていかなくてはいけないのですけれども、来年には25パーセントにするともう言っているのですね。

飯田)そのようですね。

有本)これは凄いことになりますよ。日本としては漁夫の利などと言っている人もいますが、アメリカと完全にこの点に関しては足並みは揃えられないですね。日本は、日本から中国に部品を送って、そこで組み立てて輸出しているものもありますから。これは日本の製造業にとってもマイナスの影響は避けられないというところがあります。ただ、この数年そこは進んできたのですが、一時、中国に生産拠点移転一辺倒みたいなところがあったのを、もっと分散させていく必要は当然あるでしょう。中国そのもののリスクもあるし、ここまではっきりと、アメリカと中国の経済的な意味での対立が顕在化してきたというなかでは、もっと急ぐ必要がありますよね。

飯田)サプライチェーンの見直しの部分。

有本)そうですね。そこはもっと急ぐ必要があると思いますね。

経済、知的財産権の侵害、人権問題の3つの軸

飯田)中間選挙を前にした票集めのためだ、という動きもありますが、知的財産侵害などを巡っての姿勢が変わらなかったところをみると、これは根深いですね。

有本)貿易戦争でアメリカが中国のいろいろな製品を買ってやって、随分有利にばかりしているじゃないか、という単なるお金の面でのプラスマイナスの問題に加え、知的財産権の侵害によるマイナス、それから人権問題ですね。この価値観の対立です。この3つの軸で本格的に攻めていくということであるならば、日本としては、アメリカの路線に沿わないといけないと思いますね。

飯田)中国が飲めるか飲めないかというところでいくと、飲めない条件が並んでいると。

有本)日本は、アメリカは抜けていますけれども、TPPが11ヵ国との間で締結されましたよね。これに対してイギリス・台湾を含む、4つの国地域が協力に入りたいと言ってきています。この辺りも含めてもしTPPが効果を出していくということになると、中国は戦前と同じく周りをブロックで囲まれていって、中国が孤立していくという構図が見えてくるわけですよね。私は安倍・トランプで描いてきた構図と言えると思います。

飯田)かつてから自由と繁栄の弧、ダイヤモンド構想というのを。

有本)そうですね、ダイヤモンドセキュリティですね。インド、オーストラリア、アメリカ、日本、こういうものと沿ってきています。安全保障という点からも非常に重要なことで、本当に経済イコール安全保障なんですよ。

飯田)そうなると、ダイナミックに目の前で歴史が動いていくなかで…。

有本)第3次世界大戦的なことも予想しなければいけない、そして南シナ海で日本の海上自衛隊が潜水艦の訓練をやっていたということもある。ですから、私たちが森友加計問題だの何だのと言っている間に、目の前で世界が動いていくわけです。その歴史の一翼を私たちも担っていますから、その自覚があって、日本のトップを選ぶ事実上自民党総裁選と。こういう観点で見ないと、いまのような議論で良しとしていたら、いまは日本の政権が強いですから良い感じで乗ってはいるけれども、少しレールを外れたら日本も危機に見舞われるということはあり得ますよね。

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