巨人期待の若手野手・松原のお兄さんは太田プロ所属の芸人

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、8日に行われた「巨人vs MLBオールスター」でランニングホームランを打った巨人期待の若手野手・松原聖弥(せいや)選手にまつわるエピソードを取り上げる。

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4回、2、3塁間を力走する巨人の松原聖弥。ランニング本塁打となった=2018年11月8日、東京ドーム 写真提供:時事通信

いよいよ、きょう9日から開幕する日米野球。開幕前日の8日、巨人がメジャーのオールスター軍団とエキシビションゲームを行いました。

これが復帰後初采配、83番のユニフォームを久々に身にまとった原監督は、この機会を活かすべく、若手を多数起用すると宣言。試合は6対9で敗れましたが、楽しみな逸材が現れました。今年2年目の育成出身、松原聖弥・23歳です。

「彼のバッティングは天才的」と原監督が期待する松原。大阪出身で、仙台育英高から明星大を経て、2016年の育成ドラフト5位で巨人に入団。今年7月から支配下登録選手に昇格し、2軍ではイースタンリーグ新記録となる134安打をマークしました。

50mを5秒8で走る俊足も売りで、リーグ2位の24盗塁を記録。俊足好打のアグレッシブなプレースタイルは、まさに原監督が復帰会見で掲げた“のびのび野球”を担うにふさわしい若手野手です。

昨日のゲーム、4回、1死2・3塁のチャンスに、代打で登場した松原。今季、1軍出場はなかったので、これが「1軍初打席」でした。

いきなりの大舞台にも臆せず、オテロ(インディアンス)の初球を叩くと、打球は左中間を破るヒットに。外野手がボールを見失う間に、松原はスピードアップ。3塁コーチを務めた元木大介新コーチが、手をグルグルと回す間にホームイン! 非公式ながら「プロ初打席でランニングホームラン」という鮮烈デビューを飾ったのです。

「1軍初打席ということで緊張したんですが、入団したときから『初打席は楽しもう』と決めていた。それがいい結果につながったので嬉しいです」

と試合後に語った松原。6回の第2打席は、1塁線に引っ張った打球を足で競り勝ち、内野安打で出塁すると、次打者の初球、いきなりスタートを切って盗塁に成功。捕手・リアルミュート(マーリンズ)の送球がそれると、すかさず3塁を陥れました。今季、機動力で広島に大きな差をつけられた巨人。こういう積極果敢な走塁のできる選手こそ、原監督の求めている人材なのです。

MLBオールスターチームの主砲・モリーナ(カージナルス)が、松原のプレーを見て、

「あの59番はすごいスピードをしているな! 当然、侍ジャパンに入ってるんだろ?」

と驚いたほどで、まだ公式戦では1軍デビューしていないと知ると、再び驚いたとか。

試合後、原監督は、松原をこう褒め讃えました。

「選手たちが持っている能力を自信を持ってプレーする。それをチームのなかでいちばん実行しているのは松原。彼は“陽”の選手。勝利を呼び込むみたいな、そんな力がある」

実は原監督自身も、プロ1年目の81年、新人ながら日米野球に出場。全日本vsロイヤルズ戦で、ランニング3ランを決めているのです。くしくも、松原のランニングホームランも3ラン。かつての自分を見る思いだったに違いありません。

関西出身らしく、場を盛り上げるのも得意な松原。マジックが特技で、チームメイトにトランプ手品を披露しては、大喝采を浴びています。ちなみにお兄さんは、太田プロ所属の芸人さん(ロングアイランド・ゆい)ですが、本人いわく、

「お兄ちゃんより、僕の方がおもろい(笑)」

来季はベンチのムードを明るくしてくれそうです。開幕1軍入りを期待しましょう。

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