錦木関 13年間休場なしの秘訣は「お酒」

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、15日の大相撲初場所3日目で横綱・鶴竜を破り、2大関1横綱を撃破した錦木関のエピソードを取り上げる。

錦木関 13年間休場なしの秘訣は「お酒」

大相撲初場所 3日目 支度部屋 錦木

「稽古もずっとやってきたし、土俵入りもしている。やっと恩返しができた」

15日の大相撲初場所3日目。結びの一番で、横綱・鶴竜と初対戦した東前頭2枚目・錦木(28、伊勢ノ海部屋)は、鶴竜を一気の寄りで破り、嬉しい初金星を挙げました。

土俵際で、横綱は右上手投げを打ってきましたが、構わずに思いきって前に出た錦木。際どい相撲に物言いがつきましたが、軍配通り錦木の勝利。みごと、横綱初挑戦で初勝利の快挙を成し遂げたのです。

錦木と鶴竜とは同じ時津風一門で、稽古では何度も胸を借りている間柄。さらに、鶴竜の横綱土俵入りでは、露払いや太刀持ちを2年以上も務めています。ようやく同じ土俵に立ち、しかも勝てたことは、最高の“恩返し”になりました。

自己最多の懸賞21本を受け取れたのも、横綱戦だったからこそ。さらに金星は、給金のベースアップにもつながるので、まさにいいことづくめの大きな1勝でした。

先場所、東前頭3枚目に番付を上げた錦木は、初日から上位陣と当たり4連敗と苦戦を強いられましたが、5日目に大関・豪栄道を破ったことで踏みとどまり、終盤5連勝で8勝7敗と勝ち越し。さらに番付を1枚上げたのです。

「大関戦は最後にどうしても勝ちたかった。勝ったというのは自信になる」

迎えた今場所。初日に大関・豪栄道を再び破ると、2日目は大関・栃ノ心にまわしを取られながらも、土俵際で右上手投げを打ち逆転で勝利。

「いい相撲とは言えないけど、勝ったからいっか!」

そう言って目尻を下げた錦木ですが、若手の成長株・北勝富士が、同じく大関を2日連続で下すと「俺のがかすんだ」と苦笑い。しかし、横綱まで破って3連勝となれば、今度は文句なしの“主役”です。

「今日はさすがに俺ですね。俺も負けてられない」

初土俵は、2006年3月の春場所。それから13年、コツコツ努力を重ね、横綱・大関と当たる位置まで番付を上げてきた錦木。その間、休場が一度もないのが自慢です。

休まない秘訣は「無理をしないこと」と、もう一つは「ストレス発散法を見つけること」。それは「お酒」です。巡業中は独りでふらりと、地元の居酒屋に入って地元のお酒を飲むのがいちばんの楽しみで、場所中も晩酌を欠かさないとか。

「稽古を頑張ったり、取組が終わったら『飲むぞ!』という感じ」

もちろん、オン・オフはしっかりわきまえていて、稽古熱心なことでは角界でも一、二を争います。巡業もいつも皆勤。関取になってから参加した巡業で、稽古土俵に上がらない日は1日もありませんでした。

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