キンコン西野「もう好感度低い商売はできない」、会社経営には大ピンチが必要な理由

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毎週水曜日午後6時から放送のニッポン放送「オリエンタルラジオ 中田敦彦のオールナイトニッポンPremium」。2時間半にわたる“本音”トークの中から、allnightnippon.com編集部が厳選した内容を、中田敦彦の“熱い語り”そのままに、毎週お届けする。

「オリエンタルラジオ 中田敦彦のオールナイトニッポンPremium」今週の“中田論” 第19回(2月6日放送分)

キンコン西野「もう好感度低い商売はできない」、会社経営には大ピンチが必要な理由

今週はスペシャルウイークということで、キングコング西野亮廣さんを迎えて、オリエンタルラジオ中田敦彦さんが暑苦しいほどのビジネストークを展開しました。

様々な話題が飛び出す中、衣料通販サイトZOZOTOWNの値引き戦略によって有名ブランドが自身のブランド価値を損なわれるとし、撤退を決めたというニュースから、オリエンタルラジオ中田敦彦がキングコング西野亮廣にこんな疑問をぶつけました。

中田:ZOZOTOWNみたいにプラットフォームが勝ちだすと、条件が変わっていってコンテンツメーカーが離れていったりとか。あのニュースとかどう見てるんですか?

西野:ZOZOは〜どうだろうなあ。僕は結構好きだから。個人的に好きだから。

中田:分かります、分かります。オレも好きですよ。

西野:ZOZOって今すごい物語みたいになってきて無茶苦茶いいなとは思ってる。売上が落ちてようが何してようがみんなが注目するものになっていて。それがすごく大事だと思っていて。会社を回す時にこれは意見が割れるんだけど。僕はこうしているって話だけど。オンラインサロンって入会者と退会者が毎日毎日出て。見てたら分かるのが勝ち続けている時って人数が伸びないんだよね。勝とうが負けようが挑戦している時に人数が増えると。それは本当に連載マンガと一緒で。来週どうなるを常に常にやっていかなきゃいけない。

中田:「海賊王に俺はなる!」ってところが面白いんですもんね。

西野:そうそうそう。

中田:「海賊王に5年前になりました!」はツライですもんね。

西野:ルフィが海賊王になるって言っていても、ルフィが誰かに負けました。逃げました。じゃあこっからどうやって海賊王に行くのってところに一番視聴率が発生するから。だから会社の運営もやっぱりそういう風にしなくちゃいけなくて。基本的には負けを絶対入れておかなきゃいけない。基本的にみんな勝ちたがるんだけど勝ち続けると物語がなくなっちゃうから、応援しがいがなくなっちゃって。今の時代はファンがいなかったら、基本的にどの会社ももう回らないんだよね。

中田:西野さんは最近勝ちが目立つじゃないですか。どこで大敗をアピールするんですか?

西野:それは結構考えていて。2年ぐらい前に好感度低い商売は出来ないなと思ったの。前までは何をしても、「好感度低い」「嫌われている」で。それが良いことをやればやるほど、段々減っていくから嫌われるっていうのはもうムリだって話になって。底の時代はもう終わったねってなって。それで去年どうしようかな、何かピンチにならなきゃいけないなと思って美術館を作ったの。

中田:あれピンチですよね。

西野:大ピンチ。

中田:あれクラウドファンディングでいくら集まったんでしたっけ?

西野:クラウドファンディングでは6000万円だけれども。

中田:6000万ってめちゃくちゃすごいけど、美術館っていうか街を作ろうとしているじゃないですか。

西野:そう。それが15億円ぐらいするから。

中田:まさにディズニーランドを作ろうとしているんですよね。兵庫県の川西市でしたっけ。そこに町ごとテーマパークみたいにしたいと言って街づくりになっているんですよね。

西野:そうそうそう。僕は美術館を作ってるんだけど、僕の周りの人達が美術館の周りにゲストハウスを出したりだとか。

中田:まさにそれもプラットフォームにしているってことですよね。ランドマークになるコンテンツを作って、周りにおいでっていうやつですよね。

西野:そうそうそう。それでまずお金的に苦しもうと思ったの。あいつ15億円をどうやって用意するんだっていうところに。今僕は15億円も持ってないんで。

中田:そうか。お金がないぞっていうピンチのストーリーが始まってるんですね。

西野:これはなんとかしなきゃいけないなと思ったからサロンメンバーを増やそうという方になっちゃってる。で、もうそろそろお金ないぞ商売も出来なくなってくるなって。

中田:そこ摩耗してきているんですか?だってまだないじゃないですか。実際15億に足りてないのに。

西野:ないんだけれど。この間、平成ノブシコブシの吉村くんが1億8000万円で島を買ったの。あれがすごく話題になったのは何かっていうと、基本的に吉村が1億8000万円を払えないだろっていう前提があるから、あそこに物語性があったと思うんだけど。なんか15億円だったらサロンの人数✕1000円で計算した時に、「西野、何年か後に返せるんじゃないの?」っていう計算が経っちゃうからお金ではムリだなと。

中田:なるほど。月額で今2000万入ってるんでしたっけ?

西野:今2万人ちょっとだからそうだね。まあ税金とかあるけれど、それを考えなかったとしてもそれぐらいあって。

中田:それを積み立てていけば数年後には行けるだろうという見込みだから、15億円もあまりピンチになってないと。

西野:それでスタッフとヤバイねという話になっていて。これは放送中には言えないけれど次の手を打とうという話になってるね。基本的に負けとかないといけないんだよね。

中田:負けを意識的に作らなきゃって話じゃないですか。

西野:そうね。どっちかっていうとあれかもしれない。物語を考えた時、読者の人は主人公に感情移入しているでしょ?そうしたら主人公の感情曲線みたいに、ここでテンション上がりました、ここでムチャクチャ凹みましたみたいな。

中田:結構、脚本を作る時にそのグラフを書くっていいますもんね。

西野:書く書く。感情曲線のオーソドックスなものはN字だよね。1回ちょっと上がりーの、何か大ピンチがあって落ちーの、こっから逆転するっていうN字。映画みたいにちょっと長かったらWになるっていう。基本的には会社を運営する時にN字を描くようにするね。

中田:あえて負けられる人って勝てる人じゃないですか。必ず勝てないとあえて負ける選択肢は取れないじゃないですか。

西野:そうそう。だから最終的に、今頑張って60点取ってます。このままいくと80点取れるなっていうのが見えたら60点から80点取れるなっていうのが見えたら60点から80点を行くのではなくて、この間に0点を1回挟むっていう。結局お客さんの満足度だとか幸福度っていうのはクオリティではなく伸び率だから。矢印の角度だからこれが高ければ高いほうが「きたっ!」ってなるから、中田も絶対にここは勝つなと思ったら、その勝つカードを切る前に1回ボロ負けをしとくっていう。

中田:基本的に「勝つな」ってあんまりならないんですよ。

西野:なるほどね。だからおもろいんかな。だから見てて、中田がそこがリアルだから、ラジオを聞いてる方もどうなるだっていうのがあるのかもしれない。

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