「垣花正 あなたとハッピー!」(5月15日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。森永卓郎が行った2時間のインタビューで、大塚久美子さんが語った大塚家具騒動の真相は報道されている内容とは違うものだった。その真相とは?
仲は悪くない大塚勝久さんと久美子さん
大塚久美子さんは大塚家具の社長です。大塚久美子さんのお父さんである大塚勝久さんが、久美子さんから要請された業界団体の名誉会長への就任を断っていたという報道がありました。この報道を見ると、久美子さんとお父さんはやはり和解していないのかという印象を持ちますが、大塚久美子さんによると、仲は悪くないということです。路線対立をしているわけではないし、恨み合っているわけでもない。ただ会えないということが現実のようです。
ひょんなことから実現した大塚久美子社長への単独インタビュー
以前、週刊誌に大塚久美子社長の将来についてコメントをしました。「今回、父親との和解を模索して、いままでの大塚家具のビジネスモデルに回帰するもの、カジュアル路線ではなく本来のビジネスモデルをやって行くのであれば、私は、未来は明るいと思う」というコメントをしたところ、広報担当から事実認識が違うと連絡が来たのです。カジュアル路線はやっていないと。たまたま広報担当の偉い人の奥さんが、うちの奥さんの高校の同級生で仲良しだったのです。
それで久美子社長に会わせていただき、インタビューが実現しました。
久美子社長)大塚家具はもともといいものを安く提供するということをやって来て、先日も「スローファニチャーの会」を立ち上げましたけれども、ファストファニチャーではない職人さんが作ったいいものをお届けする、その良さを伝えるために丁寧に説明をする、接客をするということをずっとやって来ているのです。
森永)そうすると、大塚家具が安いものに展開したという事実はなくて。
久美子社長)まったく無いです。俗説が広がってしまっただけで、そういう事実は無いです。同じようにものを扱っている。いろいろな騒動の過程のなかで広まってしまったということですけれども。
実は従来の大塚家具とビジネスモデルは変わっていない
多くの人が思っているシナリオとして、親子で経営権をめぐって、お父さんが作り上げて来た質の高い家具をお手頃価格で売るというビジネスプランに対して、それはだめでカジュアル路線に行くのだ、IKEAやニトリみたいに。そういうことでそれに反発するお父さんとけんかになったと。実際にやってみたら、従来型のビジネスモデルの匠大塚はどんどん新店を出して順調な業績をあげているのに対して、大塚家具は赤字を出して、やはり久美子さんが間違っていたというものが報道によるイメージです。私もそうだと思っていたのです。しかし、それはまったくの事実無根でした。東京ビッグサイトの近くに東京で最大のショールームがあります。そこに行ってわかったのですが、報道されていたものとは違い、従来の大塚家具のままです。価格はIKEAやニトリより2~3割は高いのですが、質も高いです。主力品だけでなく、高級品が並んでいます。各地の名産品がたくさんあります。私が欲しいと思ったのは屋久杉の一枚板のテーブルです。200万くらいしたかな。それだけでなくベネチアングラスでできたアンティークの巨大なシャンデリアなどもあり、要するにビジネスモデルはこれまでと変わっていないのです。
なぜ間違った報道が出たのか~その実態
では、なぜ間違った印象を与えてしまったのかと言うと、株主総会でどちらが経営権を取るかという戦いをしたときに、お父さんの側にIR会社とPR会社がついたのですね。そこが有利に運ぶために、「うちは大塚家具の伝統を守るのですよ」と。「久美子社長の方はカジュアル路線に切り替えて、いままで築き上げたビジネスモデルを壊そうとしている」という主張をしたのです。それをマスコミがそのまま報道してしまったというのが実態です。
なぜ父娘は対立したのか
大塚家具はお父さんが自分で立ち上げた会社です。中小企業ではよくあることですが、役員や幹部に能力とは無関係に親戚を登用したわけです。久美子社長の主張は、上場企業になったのだからそういう不透明な経営をしてはいけません、クリアーにやりましょうということです。その部分が最大の対立点になったのです。上場企業としての経営をしたい久美子さんと、昔ながらの経営をしたい人たちとが対立したのです。
実は匠大塚のほうが経営状態は悪い
大塚家具が赤字を出しているのは確かですが、上場企業はすべての財務状況を公開しなければならないので丸裸です。一方、匠大塚は非上場なので何も公表する義務がない。非上場企業の業績を調べている調査機関によると、平成30年3月期は、大きな赤字を匠大塚は出している。経営状態は匠大塚のほうがはるかに悪いです。どんどん出店して広告出稿もして派手にやっているから良く見えますが、内実は火の車になっています。
両社とも経営改善するには良いメージを取り戻すこと
少子化が進み、家具業界全体が厳しい状況になって来ているわけです。そのなかで親子げんかをしているので、イメージが落ちて両方傷ついています。この状態を両方が改善するにはイメージを取り戻さなければならないのです。
お父さん、久美子さんと会ってください
久美子社長が立ち上げた「スローファニチャーの会」は、職人の作った質の高い家具を使いましょうというもので、これまで大塚家具が言って来たビジネスモデルなのです。お父さんは娘がかわいいし、それに乗りたいのですが、お父さんを取り巻いている人たちが2人を会わせないのです。
お父さんと久美子さんの騒動のときは久美子さんの周りが悪いという印象でしたが、実際はお父さんの取り巻きの方が悪いと私は思います。
勝久さんにお伝えしたいのは、取り巻きの目がなくなる夜、ぜひ久美子さんに会いに行って和解していただきたいということです。
垣花正 あなたとハッピー!
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 8:00-11:30
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