習近平氏の初訪朝が米朝協議に影響することはない

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月21日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。習近平主席が初訪朝する中朝首脳会談について解説した。

20日、平壌で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(右)と握手する中国の習近平国家主席=2019年6月20日 中国中央テレビより 写真提供:時事通信

中国の習近平氏が北朝鮮の金正恩氏と首脳会談

中国の習近平国家主席は6月20日、北朝鮮平壌を初めて公式訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。習氏は非核化に向けた北朝鮮の努力を評価し、米朝協議の継続を国際社会が期待していると対話を促している。

飯田)メールやツイッターでご意見ご質問もいただいています。“堅気のやっちん”さん、千葉袖ヶ浦市の69歳の方。「この訪問で、習近平氏が北朝鮮とアメリカの橋渡しをすると思えないのですが、宮家さんはどうお考えでしょうか」。

宮家)おっしゃる通りだと思います。あまりこういうことは言いたくないのだけれど、一部の日本のマスコミは、ときどき前のめりで報道するのです。「中国が北朝鮮に行った、十何年ぶりだ、すごいことだ。きっと何かやるに違いない」と。でもこれまでの発言で報道されているものを見ると、中国も北朝鮮も基本的な立場は変わっていません。これまでは北朝鮮の指導者が、中国の北京へ何回も行っています。それに対して中国は1回もないのです。面子の問題からしても、外交的にも北朝鮮は習近平さんに来てほしかったのだと思います。中国は、中国で、これからG20で大阪に行くので、いろいろと仕込んでおかなければいけない。貿易問題でアメリカにコテンパンにやられるのは嫌ではないですか。言い返せるタマも持ちたい。その要素の1つとして、そろそろ北朝鮮に行くことにするか、という程度のことではないでしょうか。
それでは北朝鮮が具体的に態度を変えているかというと、不満しか言っていないので、おそらく変えていないのでしょう。中国側の言い方も、いままでと基本的に変わっていないと思います。もちろん首脳会談ですから、中朝2人だけで、もしくは少人数でいろいろな話をするのは間違いない。それが本当に表に出て来るかどうかがポイントですが、いままでの報道を見る限り、その片鱗はないですね。

飯田)中国側がアメリカと現在対峙している関係なだけに、北朝鮮の制裁などに関して、少し緩和してもいいのではないかという歩み寄りをみせるのではと言われていますが、そういうことは表に出て来ていないですね。

20カ国・地域(G20)財務省・中央銀行総裁会議 全景=2019年6月8日午後4時1分、福岡市中央区 写真提供:産経新聞社

北朝鮮の問題でG20が進展することはない

宮家)彼らは、北朝鮮支援をやるとしたら黙ってやるでしょう。国境があんなに長いのですから。
仮に期待を持って習近平さんが大阪に行くのはいいのだけれど、いまの状況では、アメリカの最大関心事はイランです。その次に中国の貿易問題が大きい。だけど、いま北朝鮮のことでトランプさんが一生懸命汗をかくとは思えない。しかも大統領選挙は始まっている。北朝鮮が譲歩するのならやりますよ。というわけで、北朝鮮の問題がG20の場で進展するとは思えません。

飯田)橋渡しというわけでもなく。

宮家)中国だってやりたいでしょうけれど、まずは自分のところに降りかかる火の粉を払うのが精いっぱいではないですか。このまま米中がガチンコでやっても、中国経済にとってもアメリカ経済にとっても良いことはないので、どこかで妥協しなければいけません。ですが、いまのところアメリカの経済も好調で妥協する気はありません。株価が下がるとか、何らかの形でマーケットに影響が出て来れば、マーケットから悲鳴が上がります。その悲鳴は票に結び付くのでトランプさんも必ず受け止めるでしょうが、そういう状況がないと米中貿易問題の進展はなかなか難しいのではないでしょうか。

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