北朝鮮が米批判談話を発表~遠のいた日朝首脳会談
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月5日放送)に国際政治学者の高橋和夫が出演。北朝鮮外務省の報道官が発表した談話について解説した。
米朝首脳会談から1年、北朝鮮が談話を発表
北朝鮮外務省の報道官は6月4日、去年(2018年)シンガポールで行われた史上初の米朝首脳会談から1年となるのを前に談話を発表した。トランプ政権が一方的に核廃棄を求めていると批判している。
飯田)歴史的な会談から1年経ったというところですが、状況が変わって来ていると言うか、あのときは「これで妥結するのではないか」という感じでしたが。
高橋)雰囲気は良かったものの、実質何をするかという詳細が出て来なくて心配していましたが、大丈夫ではなかったですね。詳細が動かないということで、制裁が解除されない。北朝鮮は経済的に非常に厳しい状況だそうで、国連の報告では1日1人当たりの食料の配給が300グラムということです。この間クッキーを食べて袋を見たら、150グラムと書いてありました。これを2つ食べたら終わりなのかと、北朝鮮の厳しさを想像しました。そういうなかで北朝鮮側も「忍耐心も限界」という言葉が出て来たのでしょうね。
飯田)制裁が効いているとも言えるのでしょうか?
高橋)制裁が効いていることもあるし、自然災害もあるし、経済の運営ミスもあるのでしょうね。
全く見えない日朝首脳会談
飯田)日本としては拉致問題を抱えていて、安倍総理は条件を付けずに金正恩委員長と会う用意があると言っていますが、急転直下で進むものですか?
高橋)北朝鮮側の反応から見ると、まったく問題にしていないような言葉が返って来ていて、残念ながらその兆候は見えないですね。堅い表現のなかでも語尾に少しだけ伸びしろを残すような言葉があれば、道は開かれているのだなという感じはしますが、いまのところは何も見えないですね。
飯田)ウランバートルで6月5日~6日、「ウランバートル対話」という安全保障に関する国際会議が開かれますが、そこで北朝鮮と接触するかどうかと言われています。しかし、なかなかとば口はないという感じですか?
高橋)北朝鮮も厳しいし、アメリカとの交渉も最初はお互いに“ロケットマン”などと言い合っているなかで開かれましたので、隠し玉があるのかもしれませんが、表面からは何も伺えませんね。
韓国メディアの信頼度に疑問符
飯田)北朝鮮情勢で言うと、米朝会談前に仕切った、特にハノイでの会談を仕切っていた人たちが粛清されたのではないかという報道がありましたが、間違いが分かって来たような様子ですね。
高橋)実は元気だとか、金正恩委員長と一緒に出て来たということです。前のものは韓国メディアが報じて、日本のメディアがつないだ形の報道になったのですが、韓国メディアの信頼度に疑問符がついたエピソードではないかと思います。おそらく情報源は韓国政府でしょうから、「大丈夫か?」という感じを受けますね。
こういう問題がこれから出て来たとき、報道しているのは誰か、打率はどのくらいかという解説付きで報道して欲しいですね。打率3割だったら、3割くらいの信頼性があるのだと思えます。朝鮮半島情勢を考えるときの情報をどう判断するかという、いい教訓になったと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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