参議院選挙〜年配層に直接降りかかる2000万円問題が争点となるか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月27日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。国会が閉幕し、いよいよ参院選突入へ。衆参W選挙が回避された裏側について解説した。

参議院選挙〜年配層に直接降りかかる2000万円問題が争点となるか

安倍晋三首相への問責決議案が反対多数で否決された参院本会議=2019年6月24日午後、国会 写真提供:産経新聞社

26日、国会が閉幕~与野党の争いは参院選へ

通常国会が26日に閉幕した。今国会では54本の法案が成立。延長もなく、衆議院の解散もない方針。与野党はこれから参議院選挙に向けて準備が加速する。7月4日公示、21日投開票へ、短期決戦に突入する。

 

安倍総理)どの政党が責任を持って政策を前に進めて行くことができるのか。国民の前でしっかりと議論を進めて行くことができるのかどうか、それを決める参議院選挙にしていきたいと、こう思う次第であります。

 

飯田)参議院選挙に向けて、26日の総理の会見の模様をお聞きいただきました。26日に閣議決定されて、正式に7月4日公示、21日投開票ということが決まりました。もう公示までそんなに日がないですね。

鈴木)ギリギリまでW選挙もあるのではないかと言われながら、何となく日にちが決まらない。Wだったら他の日付になるだろうということでしたが、既定路線として、裏ではこれに合わせて準備をしていたというところでしょう。街角では少し前から、参議院選挙のポスターを張る掲示板が建てられているのを目にしています。どこかの選管はこの日付を入れていた、なんてこともありましたけれどね。どちらにしても既定路線通りということです。

飯田)鈴木さんは、W選挙の可能性としては低いということを指摘されていました。

参議院選挙〜年配層に直接降りかかる2000万円問題が争点となるか

参院決算委員会で答弁を行う麻生太郎副総理兼財務相=2019年6月10日午後、国会・参院第1委員会室 写真提供:産経新聞社

2000万円問題で風向きが変わった

鈴木)私は取材してそう言って来ました。だけど先週あたりから「もしかしたらあるかも?」と、僕の取材ではひっかかり出していたのです。安倍総理の本心まで聞くことができないけれど、周辺や選挙に強い人たちが「もしかするとあるかもしれない」と、実は言い出し始めていたのです。そのポイントが2000万円問題です。東北の一人区で選挙をやっている自民党の関係者と話したのですが、あれで風向きが変わったとはっきり言っていました。ですから選挙区で決起大会をやっても、「あれは何なのだ?」と。受け取って議論すればいいではないかという意見が出ていたそうです。

飯田)金融審の老後資産の報告書。

鈴木)報告書を麻生さんが受け取らなかったでしょう。その辺りから老後の問題が、直接の問題になって来た。しかも自民党の候補が指摘していましたが、年配の方にとってこれほどど真ん中のテーマはありません。しかも、この年代の方たちは政治に熱心だし投票に行くのですよ。そこにこの問題が落ちて来たのは、とても大きいと言っていました。

飯田)受け取らないのは、いくら何でもという。説明すればよかったのに。

鈴木)危機管理を間違っている。僕もこの問題をレポートして来ましたが、高齢者の貧困問題は何年も前からあって、政府はそれを隠して来たのだけれど、それがやっと、決していい形ではないものの表に出たのです。これは仕方がない、きつい嫌な問題だけれど、議論しなければ大変なことになるというきっかけにすればよかったのです。だけどなかったことにしたら、いかにも「選挙前だからまた隠しちゃうの?」という印象が残りますよね。それで参議院選挙の流れが少し変わって来ることになると、もしかしたらWという手を使うのではないかと、会期末に自民党の一部で言われ出したのです。
この前の土日で自民党は、参議院選挙の世論調査をやっているようなのですが、これがなかなか結果がとれない。

飯田)まだ出て来ない?

鈴木)出て来ないということは、そこそこの逆風が出て来ているのかもしれない。だからどうなるのか、まだ分からない。これからですね。

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