安倍首相がダブル選挙を見送る理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月25日放送)にジャーナリストの有本香が出演。野党5党派での幹事長・書記局長会議にて、立憲民主党が内閣不信任案の提出を提案したという報道について解説した。

野党、内閣不信任決議案提出へ最終調整

国会の会期末を26日に控え、24日に野党5党派での幹事長・書記局長会議が行われ、立憲民主党は他の野党に対して25日に内閣不信任決議案を提出することを提案した。一方の野党側が先週提出した安倍総理に対する問責決議案は、24日午後の参院本会議で与党などの反対多数で否決されている。

飯田)25日が山となるのか。

有本)最後にして山なのでしょうけれど、内閣不信任案を出すような、出さないような。一応出すのでしょうが、明らかに腰が引けています。これで解散と言われてしまったら、野党はどうしようというところがあるのでしょうね。内閣不信任決議案を出して、それに対して解散という可能性ももちろん0ではありません。自民党も幹部がそれを牽制して匂わせていますが、ほぼやる可能性はないのではないかと思います。

政治資金パーティー「宏池会と語る会」で壇上にならぶ、前列左2人目から自民党の二階俊博幹事長、古賀誠・宏池会名誉会長、岸田文雄会長=2019年5月15日、東京都港区 写真提供:産経新聞社

与党がダブル選挙を見送る理由

有本)その理由は、参議院の選挙がいずれにしてもあります。この参議院選挙に対して、自民党なりの世論調査というものがあります。マスコミ各社がやるような世論調査とは違って、もう少し選挙のための、どれくらい得票できるかという調査を全国でしています。そこで、参議院選挙についてはそれほど大きく負けないという結果が出た。一方、衆議院選挙を合わせてやったらどうなのかという調査もしたそうですが、意外に厳しい結果だったということです。大方の人が、総理はダブル選挙をやろうとしているのでないかと随分言っていましたけれど、現実はそう甘くないという見通しが出て来たので、見送ったということです。仮に現状のままで選挙をやったら、という前提での調査ですから、例えば消費税の問題をからめて、増税の凍結だとか思い切ったことを仮にうたった場合は、圧勝する可能性だってあります。でもそこまでは財務省やいろいろなところとの対応ができないので、今回は見送ったのだと思います。

参院決算委員会で答弁を行う麻生太郎副総理兼財務相=2019年6月10日午後、国会・参院第1委員会室 写真提供:産経新聞社

無意味な議論ばかりされて来たここ半年の国会

有本)私はここで、2つ考えなくてはいけないことがあると思う。飯田さんは今回の半年続いた通常国会で、何か記憶に残るようなことはありますか? 日本の今後の針路を左右する議論や、私たちも真剣に考えなくてはいけないな、とインスパイアされるような議論がありましたか?

飯田)5月くらいから開店休業みたいな状態になってしまいましたよね。

有本)そうですよね。やはり北朝鮮の問題、問題が大きくなっている米中の対立。中国は相変わらず、海洋辺りでやりたいことをやっています。日本に入る中国公船の数はどんどん増えているし、船も大きくなっている。こういうことも、あってなきが如しです。きちんと国会で問題にされた記憶がないのです。それから消費税に関しても、大きな観点で日本の景気がこれからどうなるのか議論したこともない。社会保障についても同様です。2000万円の問題で騒いでいたけれども。

飯田)そうなのですよね。

有本)日本の社会保障はどうするのかという議論もやらないまま、加えて憲法の議論は一歩も前に進めませんでした。こんな国会だったらやらなくていいですよ、本当に。

飯田)1日開くだけで、何億というお金がかかっているわけですよね。

有本)そうなのです。去年(2018年)の国会中には、来年の通常国会では時間ができるので、憲法議論も先に進めるのだと与党側の幹部も言っていましたけれど、結局やらないまま終わりました。これは与党側の国会対策にも相当問題があると言わざるを得ないと思います。
ですから、今回ダブル選挙は見送られるにしても、然るべきタイミングで今年(2019年)、解散総選挙をすべきだと思います。ただ、今年は大嘗祭など大事なスケジュールもありますから、それを無事に終える流れと共に、解散総選挙という選択肢を私たちに与えてほしいと思います。

参院決算委員会で答弁を行う安倍晋三首相=2019年06月10日午後、国会・参院第1委員会室 写真提供:産経新聞社

消費税増税は回避するべき

有本)今後の政局で言うと、消費税増税を予定通り進めることになれば、国民の気持ちは、いままで6年間かなり底堅く安倍政権を支持して来た層にも影響すると思います。マイナスの意味で。

飯田)経済はとても大事で、それが動機となり、消極的であっても若い人を中心に政権を支持する層は多いと思います。

有本)若い人はほぼそれだと思います。ですから夏の間に、仮に外交でかなりの加点があったとしても、それでは選挙に勝てないと思うし求心力が生まれません。「経済なんてものは」とおっしゃる方もいますが、経済力は国力そのものですからね。

飯田)そうですよね。

有本)少し前みたいに、大学を出ても仕事がないような状況に逆戻りするようではいけないし、いずれにしても消費税を上げれば景気は足踏みする。場合によっては後退するということを、役人自身が覚悟していると言うのですから。骨太方針をまとめたりする関係のなかで各役所の人たちが、感覚としては10月に消費税を上げたら、景気が後退する可能性があるということを織り込んだ形でまとめているそうです。そのようなものは回避すべきでしょう。

飯田)それこそ年金の問題だって、2000万で大騒ぎになっていますが、根本的には景気のパイを拡大することで下支えする効果はありますよね。

有本)そう考えると今回、政治は何のためにあるのかという根本を突き付けられたと思います。これに対して野党第一党の立憲民主党が参議院選の公約のようなものを出しましたが、いままさに飯田さんがおっしゃったような、全体の景気のパイを大きくするということを、まったく分かっていないのではないかと思ってしまいます。まず最低賃金はここまで上げますという話とか。

飯田)そうなのですよ。これって、韓国が。

有本)韓国と一緒ですよ。

飯田)文大統領が大失敗したという。

有本)文大統領の大失敗と同じです。こういう選択肢しかない、国会でろくに議論もできない。それは政局にばかり頭が行っているからではなくて、勉強していないのですよ。巷を見ていないのです。このような国会でいいはずがないので、私はできるだけ早い時期での解散総選挙を望みます。

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