参院選~1人区で野党が10議席獲得できるかが焦点
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月8日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。4日に公示された第25回参議院選挙の序盤戦の状況について解説した。
参院選~与党過半数確保の勢いか
週末の新聞各紙、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、そして共同通信などが行った参議院選挙の情勢調査や世論調査で、与党が改選過半数を確保する勢いであることがわかった。
新行)朝日新聞、毎日新聞、産経新聞は与党改選過半数の勢い、過半数確保、過半数確実などと伝えており、読売新聞も自民が優位との調査結果を明らかにしています。改選124議席の過半数は63。一方で憲法改正を発議する条件、参議院定数3分の2に必要なのは85議席となっています。まずこの調査結果について、須田さんはいかがでしょうか?
須田)序盤戦の調査結果としては与党が順調なのかなと思いますし、参議院選挙前の情勢調査と同じ状況です。新聞各紙の見出しなどを見ると、各党の思惑もそうでしょうが、最終的な勝敗ラインとしては改憲勢力、つまり自民公明だけではなく、維新、無所属も含めて3分の2を確保できるかどうかです。85議席確保できるかが1つの大きな焦点になると思います。どこを見て行けばいいかと言うと、全国に32ある1人区を自民党がどの程度取りこぼすのかが焦点です。複数区、比例区についても、与党に関して言うと内閣支持率、野党に関して言うと政党支持率、これはスライドして行きますから、ここはそんなに大きな変動がないはずです。
1人区が焦点となる~野党の勝利には10議席必要
須田)やはり、1票の差で勝つか負けるかが決まってしまう1人区が焦点でしょう。そこを見ると10議席、二桁の議席を取らないと野党勝利にはならないのですが、序盤戦の調査によりますと、10議席は無理だろうということが何となく見えて来たかなと。あと2週間ありますから、これからの選挙戦の展開次第ではわかりませんけれども、3分の2議席行くか行かないかで、ギリギリの攻防が終盤まで続いて行くのではないでしょうか。
新行)1人区では野党が統一候補を出している部分もありますよね。
須田)野党が勝つため、一定程度の議席を抑えるためには、野党統一候補を立てることが必要最低条件でした。それは32の選挙区すべて実現できたれども、ポイントが2つあります。1つは何かと言うと、1人区では野党共闘ができていますが、複数区、比例区においてはバラバラに戦うことになります。これをどう有権者が判断するか。比例区はそれぞれの政党ごとに戦っていて、小選挙区においては野党統一候補ということです。これは非常に分かりにくいのではないかと思います。
野党の候補者は無所属~当選後に所属政党を決める
須田)そしてもう1つは1人区。確かに野党共闘が成立しましたが、十数の候補者が無所属なのですよ。所属政党なし、当選してから所属政党が決まるということなのです。当選後に「私はやっぱり立憲民主党に行きます」「私は国民民主党です」ということが許されるのか。有権者がそのあたりをどう見るのか。だってその人が当選後、どこに所属するのか分からないわけです。
特定枠とは
新行)メールもいただいています、“瀬戸は夕凪”さんから。「今回の参議院選から特定枠という謎の制度がはじまりました。新聞記事を見ていると特定枠の候補者は、候補者名による投票の対象外ですという謎の記述があります。これは一体何なのでしょう?」。
須田)利用しているのは自民党とれいわ新選組だけです。有権者の数に合わせるということで、合区、選挙区を合わせて国会議員の数を減らすことをやりました。その結果、何が起こったかと言うと、当選できない人が出て来てしまうのです。そのような人たちの救済措置として、各政党が「どうしてもこの人は必要です」、あるいは「国政上優位な、必要な人です」という認定をすると、その比例区のなかで特定枠というものを設けます。比例区の当選者は個人名、もしくは政党名で投票し、結果として個人名での得票数が多い順番に当選して行くという形を取ります。特定枠の人は政党が必要だということを認めたわけですから、個人名での投票はできません。政党に投票して、その結果、優先順位が上位にあるということです。
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