参院選~「政治を安定させる」のか「暮らしを守る」のか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月5日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。4日に公示された第25回参議院選挙について解説した。
参議院選挙、370人の立候補が確定~各党が第一声
第25回参議院選挙が4日公示され、全国で370人が立候補を届け出た。7月21日の投開票に向け選挙戦が幕を開け、各党はさっそく街頭で支持を訴えている。
飯田)ということで、主な政党の第一声を順にお聞きいただこうと思います。まずは自民党の安倍総裁です。
安倍自民党総裁)私たちは憲法に自衛隊を明記するということを公約に掲げています。この選挙で問われているのは、私たちのようにしっかりと国会議員としての責任を果たして議論をする候補者、政党を選ぶのか、議員としての責任を果たさず、審議をまったくしない政党や立候補者を選ぶのか、それを決めていただく選挙でもあります。
飯田)続いて公明党の山口代表です。
山口公明党代表)7つの選挙区全員当選、さらに比例区では6名以上の当選を目指して力を合わせ、過去最高の議席獲得に向けて、全力で勝ち抜いてまいる決意であります。この日本の政治の安定のためには、連立政権に公明党がなくてはなりません。
飯田)続いて立憲民主党の枝野代表です。
枝野立憲民主党代表)暮らしの安心はどんどん壊されて来た。これ以上暮らしを壊されてはいけない。暮らしの安心を取り戻さなくてはならない。暮らしを守る、生活を防衛する、そのための夏の戦いに皆さん、して行こうではありませんか。
飯田)国民民主党、玉木代表です。
玉木国民民主党代表)まず何よりも家計を豊かにすることによって、そしてGDPの6割を占める消費を盛り上げる。消費する力がつけば、企業がものを作ったら初めて売れるようになります。消費を軸とした好循環を回す。この経済政策に変えて行こうではありませんか。
飯田)共産党、志位委員長です。
志位共産党委員長)マクロ経済スライドで7兆円も年金を削るのか、それとも減らない年金にするのか、これが年金問題の最大の争点です。日本共産党への一票で、安心の年金への第一歩を踏み出そうではありませんか。
飯田)日本維新の会、松井代表です。
松井日本維新の会代表)安倍総理は、今回の増税で教育無償化を実現すると言うけれど、その前にまず徹底的に行革をやり、財源を生み出す努力をして、そしてどうしても社会保障に足りないときに、もう1度国民の皆さんにご判断いただく。
飯田)社民党、吉川代表です。
吉川社民党代表)安心して働き、結婚し、子供を産み育て、老後を迎えられる。そのような雇用の質の確保。これを我々社民党はこの参議院選挙で訴えてまいりたいと思います。
本来の参議院は良識の府
飯田)主な政党の第一声をまずはお聞きいただきました。参院選、7月21日までの17日間です。
宮家)もう25回。参議院は、基本中の基本に戻りますけれど、やはり上院ですよね。
飯田)そうですね。
政治を安定させるのか、暮らしを守るのか
宮家)日本の場合は下院が政局を左右するところになっているので、上院である参議院は職能の代表であり、各界から立派な人が選ばれる、良識の府だということになっていました。それは衆議院とバランスをとるために作られたのだと思うけれども、現在の参議院がそのような役割を果たしているかどうか。本来は、参議院というものは政党化してはいけなかったのかもしれない。しかし、これが現実です。そこは国民も色々考えて結果を出しているのだから、仕方がないと思うのです。争点として、政治を安定させるべきなのか、それとも暮らしを守るのか。これが大きな対立軸になっているように見えるのですが、暮らしを守るためには政治が安定しなくてはならないと考える人がいるかもしれません。また、暮らしを守るためには政権を変えなくてはならないと考える人もいるかもしれない。しかし、暮らしを守っていれば政治も安定するわけだし、世の中いろいろな考え方があるのだろうと思います。これは国民の皆さんがよく考えて、本来の参議院のあるべき姿を念頭に置きながら決めていただきたいと思います。
飯田)7月21日投開票ということであります。370人の立候補が確定しました。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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