サンマ漁獲上限設定を提案~中国でサンマはどう食べられているのか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月17日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。16日に始まった北太平洋漁業委員会で、日本がサンマの漁獲量の上限設定を提案したというニュースについて解説した。
北太平洋漁業委員会で日本がサンマの漁獲量の上限を設けることを提案
サンマの資源管理について話し合う国際会議、北太平洋漁業委員会が16日から東京都内で始まった。北太平洋のサンマの資源量が大幅に減少していることを受け、日本は各国が1年間に獲るサンマの総漁獲量に上限を設けるよう提案している。
飯田)この委員会は北太平洋の公海、公の海のサンマ、サバなどを対象に資源管理を行う国際機関で、2015年設立ということです。サンマの漁獲量が減っているのですよね。
世界的な日本食ブームでの影響
佐々木)日本人がそんなに食べているのかと思いきや、魚の消費量は年々減っているのですよ。ただ、一方で日本食が世界的なブームになっていて、中国や台湾などでも日本食が相当ブームになっています。日本料理が流行っているので、日本料理の食材が獲られまくるということです。かつてマグロがそうでした。そんなにマグロは食べられていなくて、ツナにするくらいだったものが、お寿司が流行ったために、日本食のブームでマグロがどんどん減ってしまった。それと同じ状況がサンマでも起きています。中国でサンマの消費量が増えている。ただ不思議なのが、塩焼きでは食べられていない。
飯田)塩焼きでは食べないのですか?
佐々木)場所にもよりますが、薄い味付けのものは中国人は食べないですよね。基本はスパイシーな、こってりした味付け。日本のイメージで言うと蒲焼きです。蒲焼きにクミンとか、そういうものを足した感じの味。
飯田)それで、パクチーを上からかけて。
佐々木)そういう食べ方なのではないでしょうか。青い魚は小骨が多いではないですか。あれを中国人はどうするのかな。友人に中国の食文化の研究家がいるのですが、その人と話していて「へえ、そうなんだ」と思ったのは、彼が日本に来て和食の店に入って驚いたのが、日本人が箸で骨を外して食べていることだと言うのですよ。中国では口のなかに骨ごと入れて食べて、咀嚼して骨だけペッと吐き出す。
飯田)スイカの種を吐き出すみたいな感じ?
佐々木)鶏もそうです。鶏も口のなかで骨ごとくちゃくちゃと食べて、骨をペッと吐き出す。だから中国大陸のそういう店に行くと、テーブルや床の片隅に吐き出された骨が集まっている。そういう人がサンマを食べると、骨ごとのサンマは小骨が多すぎて食べにくいのではないかと思うのですよ。
飯田)小骨が多いですものね。
中国では加工されたサンマが食べられている
佐々木)ネットで画像検索していろいろ調べてみたら、骨を外した状態で、甘辛く味付けしたものがパックで売っているのですね。日本で言うとサンマの蒲焼きの缶詰。ああいうイメージです。
飯田)なるほど。それで加工用に獲っているものが多いと。
佐々木)多分そうなのではないでしょうか。
飯田)加工なら冷凍も容易にできますね。
佐々木)脂が多いので美味しく食べられる。サンマの蒲焼きのイメージです。僕らはサンマと言うと塩焼きですが。
飯田)そうですよね。
佐々木)蒲焼きだと、世界中で受け入れられる。
飯田)しかも、輸送にも耐えられるわけですね。
佐々木)そうなのですよ。
飯田)そういう流通が確立されてしまっている。そして、北の方で根こそぎ獲ってしまう。
佐々木)もう日本に戻って来ない。だから、日本はこれからどうするのだろう。魚を食べなくなっていますが、一方で魚がどんどん世界的に減っている。漁獲規制せざるを得ないと思います。日本の長寿の原因の1つは、魚を食べているということがあるので、このまま魚を食べないで肉ばかり食べるようになると、平均寿命が逆に縮んで行く可能性があります。資源管理した上で、魚をもっと食べるという方向に持って行った方がいいのではないでしょうか。
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