香港デモ~中国が目論む“軍事力を使わずに制圧する方法”

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月7日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。香港のデモに対する中国政府の対応について解説した。

28日、香港で、警官隊が発射した催涙ガスから逃れるデモ参加者=2019年7月28日 写真提供:時事通信

中国政府が過激化する香港のデモに警告

中国政府で香港の問題を担当する香港・マカオ事務弁公室は6日、過激化する香港のデモについて「中国政府の揺るぎない決意と巨大な力を見くびってはならない」と警告した。香港各地では5日から6日にかけて抗議活動が続き、香港警察が148人の逮捕を発表している。

飯田)逮捕のなかには、懐中電灯を買っただけで逮捕された、ということもあるようです。これはまだネットの情報だけなので、本当かどうかわかりませんが。

佐々木)フェイクニュースが出まくっていますよね。香港に隣接する深圳(シンセン)には人民解放軍が集まっているとか、戦車が来たとか、両方ともデマでした。一昨日(5日)も深圳に大量の警察が集まっているという話がありましたが、あれは70周年のパレードのために集まっていただけで、みんな丸腰だったという話です。フェイクニュースが飛び交って世論が左右されて行く感じが、ロシアのクリミア併合のときに似ていると思いました。あのときロシアはクリミアに軍隊を一切、表面上は送り込んでいません。ただ、バッジを外してしまって、便衣兵のようなものを送り込んでいます。実際に何をやったかと言うと、ウクライナのなかでもクリミアの人はロシア語を喋っていて、ロシア寄りであると。彼らがロシアに戻りたがっているという世論が盛り上がって、結果的に武力的な侵攻をしないまま併合してしまいました。だからウクライナ側も対抗しにくかったのです。
今回の香港の場合も、中国の戦略はそちらではないかと思います。フェイクニュースで対立を煽って、実は三合会みたいなものを繰り出しているではないですか。あれを見ると、暴力的な状況になっているので制圧せざるを得ないという雰囲気に持ち込むことによって、気が付いたら香港自体が制圧されているという構図に持って行こうとしているのではないかと。

第三の力、シャープ・パワー

佐々木)昔、ジョセフ・ナイさんという政治学者が言ったソフト・パワーとハード・パワー、軍事力と文化的な力。最近、それ以外にもシャープ・パワーという言葉が出て来ています。これはアメリカの『フォーリン・アフェアーズ』という外交専門誌が言い出したのですけれど、フェイクニュースなどの情報操作でロシアがアメリカ大統領選挙に介入して、トランプさんにお金を渡したのかはわからないけれど、一応フェイクニュースを流したことによってトランプさんが当選してしまったみたいなことが言われているではないですか。ああいうものがシャープ・パワーなのです。クリミアもシャープ・パワーだし、中国も今回シャープ・パワーを駆使して、香港問題を片付けようとしているのではないかと思います。軍事力を出してしまうと台湾などが滅茶苦茶に反発しますし、台湾が反発してしまうと今後の米中関係にも影響があるので、そこを触らないようにしつつ香港を制圧しようとすると、そういう方向がいちばん妥当ではないかと。恐ろしいですよ、これは。

飯田)今後ということで言うと、10月1日が国慶節です。建国記念日だということで、ここに向けて先鋭化して行くのではないかと言われています。

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