高島礼子「女優として、振り返ることよりも前に進みたい」
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に女優の高島礼子が出演。主演映画『祈り』について、また女優としての今後について語った。
黒木)今週のゲストは女優の高島礼子さんです。今年(2020年)の秋以降に順次公開予定となります、高島さんの主演映画『祈り』。長崎を舞台にした、原爆をテーマとしたものです。
高島)戦後10年経った、昭和30年代の長崎を舞台にした作品です。原作は亡くなられた田中千禾夫さんの『マリアの首』という戯曲から取ったものです。広島には原爆ドームが残されています。でも、長崎にはそういうものがありません。その当時、長崎にも残して欲しいというものが旧浦上天主堂だったのですが、そのなかにあったマリア像を守ろうとするカトリック信者たちのお話です。
黒木)旧浦上天主堂は取り壊しになったのですね。
高島)いまは新しく場所を変えて。
黒木)長崎で全ロケということですが、どれくらい行ってらっしゃったのですか?
高島)20日間くらいです。
黒木)みっちりですね。その前に、いろいろお勉強をしたり調べ物をしたりしたのでしょう?
高島)写真集を拝見したり、長崎の原爆資料館の方や長崎大学の方から、当時の原爆の資料を拝見しました。今回はデリケートなお話ではあるので、リサーチはたくさんさせていただきました。
黒木)「鹿」という役ですが、心がけたことは何ですか?
高島)鹿という、私が今回いただいた役は、カトリック信者で神を信じているので、決してめげずに、マリア像を守ろうとする強い意志をしっかりと演じられたら、とは思っていました。
黒木)今後も、「自分が満たされて楽しく仕事がしたい」という基本的な気持ちを変わらず持ち続けて行きたいということですか?
高島)振り返ることよりも、「先に進みたい」という思いでいっぱいです。特に最近、涙もろい。ちょっとしたことでも「幸せだな」「ありがたいな」と感じるようになりました。年齢でしょうか。
黒木)年齢ですかね、何でしょう?
高島)人の親切が「ありがたい」と思えるようになったのです。これまで、お芝居ばかりで、ドキュメンタリーをやったことがなかったのですが、ここ数年、地方に行って取材させていただく仕事をするようになりました。そこで業界外の皆さんと普通に会話することによって、いままで気づかなかったものが見えて、感動するようになりました。楽しくなりました。
黒木)わかります、わかります。
高島)ロケ現場で、仲よくなった方と連絡を取り合うことなど、以前はとても考えられなかったのですが、最近は友達の輪が広がって行くことの快感、楽しみが癖になってしまいました。
高島礼子(たかしま・れいこ)/女優
■1964年7月25日生まれ。神奈川県出身。
■会社員として働きながら、アマチュアレーサーとしてモータースポーツで活動。レース資金捻出のため、レースクイーンやモデルの仕事も開始。初出演のCMを目にした松平健さんに見いだされ、1988年、『暴れん坊将軍Ⅲ』に出演。本格的に女優デビュー。その後、数多くの作品に出演。
■1996年には『陽炎2』で主演を演じ、以降、陽炎シリーズに出演。
■1999年からは『極道の妻たち』シリーズに主演。
■2001年、映画『長崎ぶらぶら節』で日本アカデミー賞・優秀助演女優賞を受賞。
■映画・ドラマ・CM・舞台…幅広いシーンで活躍。テニスやゴルフが趣味。モータースポーツのA級ライセンスを取得。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳