馬淵氏、須藤氏が山本太郎氏の応援演説をした理由~都知事選総括
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月6日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。東京都知事選の総括、今後の国政への影響や各政党の動きについて解説した。
東京都知事選、現職の小池百合子氏が2回目の当選
小池知事)普通ですと、こういうときは万歳をするものでございますが、まだコロナ禍の真っ只中でございます。ここで万歳という気持ちにはなかなかなりにくい。これからも緊張感を持って、非常に厳しい状況にあるコロナに対して、しっかりと対応して行きたいと考えております。
過去最多の22人が立候補した東京都知事選挙は、5日に投開票が行われ、現職の小池百合子氏(67)が2回目の当選を果たした。立憲民主党・共産党・社民党の支援を受けた日本弁護士連合会の元会長・宇都宮健児氏や、れいわ新選組代表・山本太郎氏、日本維新の会が推薦した熊本県元副知事の小野泰輔氏らを抑えて、早々と当選を決めた。
無党派層の影響がなかった
飯田)小池さんの圧勝ということになりました。
須田)出口調査で既にわかったということでしょうけれども、投票率が55%、前回より4・73ポイント下回ったことを含め、そういう結果が見えていたからこそ、東京都の有権者にとっても、関心が低かったのかなという感じがします。小池知事はほとんど選挙活動をせず、新型コロナウイルス対策に専念するというスタンスを取りました。組織をがっちり固めて、自公の支援を得てということですけれども、結果的にそれで圧勝したのですから、今回は無党派層がほとんど影響を及ぼさなかったのだろうと思います。
飯田)投開票の結果はもう出ていますけれども、序盤の情勢調査などの数字を見ると、6割くらいが小池さんでしたので、選挙の前後で情勢は変わらなかったのですね。
須田)その一方で宇都宮健児さん、そして山本太郎さんが、野党の票を食い合ったのではないかという指摘もあったのですが、両方足しても140万票余りということで、それでも届かないという状況になりました。
山本太郎氏の応援演説に須藤氏、国民民主党・馬淵氏が登場した背景~創価学会の三色旗も
須田)今回の選挙戦のなかで、気になる動きがありました。6月30日、山本太郎さんの街頭演説が行われたときに、国民民主党に所属する馬淵澄夫さんがサプライズで応援演説に入られたのです。一体何が起こったのだろうかと、その日の夜、選挙活動が終わった後に、山本太郎さんに取材しました。須藤元気さん、国民民主党の馬淵さんが応援演説をしましたが、山本太郎さんに「秋葉原の街頭演説のとき、後方に公明党支援団体である創価学会の三色旗が翻っていたのを見ていましたか?」と質問しました。「見ていた」と言うので、「この辺りの動きについてどう捉えていますか?」と聞きましたら、「公明党、創価学会は別だけれども、『裏野党共闘』かな」と言っていました。
都知事選で立憲・国民合流調整がスタート~秋の国政選挙を見据えて
須田)馬淵さんの応援演説のなかで、「実は立憲民主党・国民民主党・無所属の現職国会議員40名が山本太郎さんの支援に入って来ている」という発言もありました。そして「裏野党共闘」というコメントがあった。それを受けて、この動きはどういうことかと馬淵さんにも取材に行ったのです。いくつかポイントはあるのですが、1つは東京都知事選挙後の国政選挙です。野党サイドはどうやら、衆院の解散を9月と睨んでいるのです。その準備を始めないと、ということで、東京都知事選挙の前から立憲・国民合流の調整がスタートしていた。そういう流れを受けて、馬淵さんが無所属から国民民主党に入った。そういう意味で言うと、馬淵さんが山本太郎さんの支援に入るというのも、実は両党了解の上でのことなのです。ですから、そこに40名の人が集まると言うのもよく理解できる。「つまり9月になると、両党の合流が表面化するということですか?」と質問したところ、「もっと早い」と。東京都知事選挙後、すぐにそういう動きが見えて来るようになるのではないかということです。今回の東京都知事選挙は、結果がほとんどわかっていた選挙ですから、各党にとって次の国政選挙に向けての布石の意味合いも持っていたのだと思います。
飯田)なるほど。山本太郎さんと宇都宮健児さんで割れてしまったから、野党共闘どころか、野党分裂ではないかと見る向きもありましたけれど、裏だとそうではないのですね。
日本維新の会・小野泰輔氏~国政を睨んでの都知事選立候補か
須田)日本維新の会も小野泰輔さんを立てました。日本維新の会は大阪発祥の政党です。地盤は大阪、関西ということですが、日本維新の会の看板で、東京でどのくらい票が集められるのか。この辺を見極めたかったということもある。これも国政を睨んでいる動きです。
飯田)なるほど。今回汗をかいたのは、どちらかと言うと東京選出の参議院議員の柳ヶ瀬さんと音喜多さんが中心になっていたという報道もありましたけれど、東京組でどれくらいまでやれるかを試したということですね。
須田)衆議院選挙でどの程度の得票数が望めるのか、どうやれば上積みができるのか。場合によっては、小野さんは東京都知事というよりも、次の衆議院選狙いなのではないかとも見ています。
飯田)ご本人も敗戦の弁のなかで、いちばん無名からスタートしてここまで積み上げることができたというのは、悔しさはもちろん出ていましたが、1つ手ごたえのようなものは感じていそうですね。
今後国政を舞台に絡む思惑
須田)知名度を上げるという点では、東京都知事選挙は効果があるのです。注目されますから。
飯田)この後、また秋に選挙となれば、忙しいですね。
須田)その辺り、安倍さんの腹のなかが本当に9月なのか。まったくそんなことを考えたことはない、というようなことを言っていますが。
飯田)頭の片隅にもないとおっしゃっていました。
須田)これから国政を舞台に、いろいろな思惑が絡んで行くのだろうと思います。
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