ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月17日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。全国戦没者追悼式での天皇陛下のお言葉に対する、一部の反応について言及した。
全国戦没者追悼式で初めてコロナに言及
8月15日の終戦の日、日本武道館で行われた全国戦没者追悼式で、天皇陛下は平和を願う2019年のお言葉を踏襲する一方、公の場で初めてコロナ禍に言及された。
天皇陛下)本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
終戦以来75年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。
私たちはいま、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けて行くことを心から願います。
ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り、戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。
飯田)全国戦没者追悼式での陛下のお言葉でした。今回はコロナウイルスについても言及というところでありましたが、基本的なお言葉のなかについては、去年(2019年)を踏襲したということも指摘されています。
全国戦没者追悼式での「深い反省の上に立って」という天皇陛下のお言葉を切り取り、批判するのは行き過ぎた報道
須田)コロナ問題に言及されたということですが、そこにクローズアップするということは、意味があるのだろうと思います。ただ、一部の人たちやメディアが違うところ、「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い」という一文、特に「深い反省の上に立って」というセンテンスだけを切り取り、安倍総理の発言と比較して「それはないではないか」というようなことを言うのは、それこそ皇室、天皇の政治利用になってしまうのではないかと思います。ですから、前後の段落全部を含めて読み解いた上で、そこに対して政治的な意味合いを見出すことには強い違和感を持ちます。もっと言えば、やってはいけないことではないでしょうか。そこは素直に受け止めればいいのであって、背景や持つ意味に対して、何らかの解説を加えるということは行き過ぎた報道であり、発言ではないかと思います。
飯田)こういう式典でのお言葉は、演説とは違うということも指摘されています。
須田)お言葉を素直に受け止めて、「自分の心のなかでそれがどういう意味を持つのか」という部分と向き合うべきであり、他人の発言と比較したり、広島と長崎の違いを見つけ出す作業は必要ないと思います。
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