首相補佐に柿崎明二氏を起用する「菅総理の怖さ」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月5日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。首相補佐官に柿崎明二氏が就任したニュースについて解説した。
首相補佐官に柿崎明二氏
政府は10月1日、首相補佐官に共同通信元論説副委員長の柿崎明二氏を充てる人事を発令した。柿崎氏は菅義偉総理と同じ秋田県出身で、共同通信政治部記者や、編集委員を歴任し、政策評価、検証を担当する。
新行市佳アナウンサー)柿崎さんという方はどのような方なのでしょうか?
須田)批判的な官邸スタッフからは、「この8年間、反安倍で、安倍前総理に批判的な言説、物書きで食って来た人間が、なぜ今更、首相補佐官になるんだ」というコメントが首相官邸のなかで充満したということです。一方で、これまで柿崎さんのお仲間内だった左派の人たちからすると、「この裏切り者め!」というように、両方からネガティブな反応が返って来ました。
新行)柿崎さんも「いろいろな受け止めを自覚している」と発言されていました。
首相補佐官の仕事内容
須田)本人も自覚したのでしょうけれども、首相補佐官というのは、政策提言などをするための直属のスタッフで、そのトップは内閣官房長官なのですが、内閣官房には属しません。安倍政権のときに「官邸官僚」という言葉が出て来ましたが、官邸官僚は内閣官房に属さずに官邸にいて、官僚、あるいは官僚的な仕事をする。総理直属なので、総理の威を借りてということになります。その官邸官僚の1人で、そのなかでもトップ級になります。まだ明らかにはなっていませんが、柿崎さんは官邸の4階に専用の部屋をもらったと、取材で聞いております。しかも、給料がいいのです。年間約2357万円ということです。共同通信よりいいのではないでしょうか。かなり力を持ったポジションだと考えてもらっていいと思います。私と同じ年齢です。
新行)そうなのですか。
須田)毎日新聞から共同通信に転じていて、毎日新聞時代に存じ上げていたのですが、「やつも転んだな」というのが、私の素直な感想です。
新行)と申しますと?
須田)毎日新聞から共同通信に転じて、共同通信を退社してここに打って出ています。つまり、退路を絶っている。ということは、将来が約束されているのだろうと思います。単純に高給、専用の部屋、秘書、黒塗りの専用車に釣られたのではなくて、将来的にもある種約束され、場合によっては政治家になるという可能性もあるのではないでしょうか。マスコミ出身者が、政治家、あるいは政治家という経験を経ずに首相補佐官になったというのは初めてです。
「柿崎さんのような左派にいた人もこう言っている」というエクスキューズが効く
須田)仕事は、「政策全般について評価や検証、さらには改善すべき点について、必要に応じて意見を言う。総理に対して進言や意見具申を行う」ということです。職務内容については、「この範囲のなかでやってください」とペーパーで総理から示されます。そのなかには、マスコミや世の中、特に左派から批判を受ける、今回の日本学術会議のような、または、森友、加計、桜を見る会等のようなケースもあります。「柿崎さん、これについて検証、評価をお願いします」と言われると、自分の将来もかかっていますし、身内ですから、あまり批判的なことはできない。となると、政権にとって都合のいいものになります。「ほら、もともと左派にいた人もこう言っているではないですか」というエクスキューズが効くという、非常に使い勝手のよい人物なのです。「菅さんはつくづく怖い人だな」というのが、今回の人事の感想です。
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