ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月20日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。10月1日に起きた東京証券取引所のシステム障害について解説した。
東京証券取引所に立ち入り検査へ
金融庁は10月1日にシステム障害を起こした東京証券取引所に立ち入り検査をする方針を固めた。
飯田)原因は少しずつ報道されていますが、どのようにご覧になっていますか?
金融庁の職員はシステムを理解しているのか
高橋)立ち入り検査に行く金融庁の職員も、わからない人が行くから大変だろうと思います。答えはわかっています。単にバックアップシステムをONにしなかったということを確認しに行くだけです。システムというのはプログラムだから、プログラムを読める人が検査に行かなければ意味がありません。この手の話は報道も難しいでしょうね。プログラムをやったことのない人が記事を書くわけだから。皮肉っぽく言えば、「お気の毒様」という感じです。
飯田)この日の夕方に行われた東京証券の会見でも、「スパスパスパ」と切って行く東証のCIOの人に対して、メディアが攻めあぐねているような感じで、とにかく「責任は? 責任は? 責任は?」と聞くばかりでした。
高橋)わからないのでしょう。自分でプログラムを書いてシステムをつくったことがある人でないと、今回のことを理解するのは難しいと思います。
バックアップシステムへの切り替えをONにしていなかった~単純な問題
飯田)今回は、バックアップへの切り替えをONにしていなかった。だから即時に予備の装置に切り替わらなかったという、共有記録装置のバックアップシステムの単純な問題でした。
高橋)「外注したときに、仕様が変わったことがわからなかったから」と言うのですが、5年間OFFのままというのは何だろうと思います。ずっとバックアップシステムがOFFのままだった。「誰か気が付かないの?」という感じです。まあ、気付かなかったのでしょうね。
飯田)でもこういった「ヒューマンエラー」はどうしても起こりますよね。
高橋)もちろん。パソコンでわけがわからなくなったら、とにかく電源を切ることです。それで電源をもう1度つけるのが、いちばん簡単な復旧です。
飯田)スマホで止まったなと思ったら再起動する、みたいなね。
取引前だったので実害はなかった
飯田)今回の問題に関しては、直前で不具合はわかったということです。それで再起動をしてしまうと、それまでに入っていた注文などが全部まっさらになってしまって、市場が混乱するから、その日は閉じて、その後に再起動をかけたという形ですよね。
高橋)やっている最中でなかったのが幸いでしたね。1日お休みしただけで済みましたから。
飯田)動かしている最中に不具合があった場合は、もっと大変です。
高橋)そうなると誤注文などが発生しますからね。今回は実害はなかったのです。
立ち入り検査をして、「やっている感」を出したい金融庁
飯田)立ち入り検査ではどんなことをするのですかね?
高橋)1回電源を切って、それで大丈夫だったのかと、そんなレベルですよ。だから立ち入り検査を行うのです。何もわからないで、ただ聞き取りして、報告して終わりなのではないでしょうか。
飯田)金融庁としては、「やっている感」を出したいということでしょうか。
高橋)そりゃそうでしょう。プログラムやシステムがわからない人が行くのだから、大変だと思います。
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