吹越満が語る映画『大コメ騒動』~史実を基にした女たちの闘い
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に俳優の吹越満が出演。自身が出演した映画『大コメ騒動』の面白さについて語った。
黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」。今週のゲストは吹越満さんです。よろしくお願いいたします。
吹越)よろしくお願いします。
黒木)吹越さんと連ドラでご一緒したのが、何と10年前。
吹越)もうそんなになるのですか?
黒木)そうなのです。2010年の『同窓会~ラブ・アゲイン症候群』というドラマでした。光陰矢の如しです。吹越さんは来年(2021年)年明け早々、出演された映画『大コメ騒動』が公開されます。その映画の内容についてご説明をお願いします。
吹越)はい。富山の漁師町であった米騒動という、米を自分たちの手に取り戻そうとする人たちの実際に起こった暴動事件を基にしたものです。102年前の話なのです。
黒木)史実ということですね。米騒動は、富山の女性たちが始めたことなのですね。それが全国に広がって行った。
吹越)そうみたいですね。
黒木)吹越さんの役は?
吹越)主人公を演じているのが井上真央さんです。“おかか”と呼ばれる暴動を起こす女性たちの仲間で、トキという女性を鈴木砂羽さんが演じられたのですけれど、僕はその夫の役です。漁師たちが漁の仕事がない時期に出稼ぎしている間、女性たちは米を運んだりして肉体労働をしているのですが、それを仕切っている。
黒木)親分みたいな。
吹越)そうですね。日雇いのお金を渡したりなんかして。
黒木)この映画は、来年の1月8日に全国公開。そして富山県は何と元旦から先行公開ということです。吹越さんが演じられた元締めの、「男が動いたら世界が動く」、「女が動いても世界は動かない」というかっこいいセリフがありました。そういう時代でもあったということなのですけれども。女性たちが腹いっぱいご飯を子どもたちに食べさせてあげたいから頑張ると。頑張る映画ですよね。
吹越)そうですね。当時はみんなそう思っていたのでしょうね。そういう時代にも関わらず、自分たちが動いて取り戻そうとする女性たちはすごいですよね。
黒木)たくましかったです、すごく。
吹越)いまでは考えられないですよね。
黒木)夏木マリさんがお演りになったなかで印象的だったのは、「女は子どもを産んだらわかる」と。「女がこんなにご飯を食べさせたいと大騒ぎしているのは、あんたたちにはわからんだろう」というたくましいセリフもありました。共感しましたけれど。
吹越)みんながつらい思いをした事件を基にしているのにも関わらず、コメディタッチで描けている。音楽も軽快で。「これはどうしてこうなれるんだろう」と思いながら観ていました。やはり女性が強いと笑える。「これに限るのだなあ」ということですね。
吹越満(ふきこし・みつる)/俳優
■1965年2月17日生まれ。青森県出身。
■劇団「WAHAHA本舗」出身。
■ロボコップの形態模写をアレンジした「ロボコップ演芸」でバラエティ番組に出演。
■1999年の退団後は、ドラマ・映画・舞台を中心に俳優として活動。
■ソロパフォーマンスである『フキコシ・ソロ・アクト・ライブ』を定期的に開催。
■2021年1月8日全国公開『大コメ騒動』に出演(1月1日より富山県先行公開)。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳