豊田真由子が警鐘 幻想である「第4波回避」「ゼロコロナ」
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元厚労省官僚・元衆議院議員の豊田真由子氏が新型コロナウイルスに対する“幻想”に警鐘を鳴らした。
新型コロナウイルス感染予防対策として首都圏1都3県に発令されていた緊急事態宣言は、21日の期限をもって解除された。政府は感染収束を目指し、飲食店での感染防止、検査・医療体制の拡充に万全を期し、懸念されるリバウンド(感染再拡大)による「第4波」回避に向けて警戒を続けている。
元衆議院議員で、厚生労働官僚時代の2009年に新型インフルエンザの担当外交官を務めた豊田真由子氏は、3月23日のニッポ放送『垣花正 あなたとハッピー!』に出演し、この『「第4波」回避』の考え方に警鐘を鳴らした。
垣花:「第4波は来るのが大前提」という考えが大切なんですか?
豊田:私はコロナの最初の頃からずっと言ってきたんですけど、繰り返し“波”はきます。去年ある番組に出た時に、ちょうど放送中に「東京都の感染者数が100人超えました」って大騒ぎみたいになったんですけど、「いやいやさらにもっと多くの感染者が出ますよ」と。予言者のように言ったんですが、それは予言ではなくて。歴史とか感染症の科学的なことを踏まえれば、しょうがないことなんです。
豊田:それで、私がすごく心配なのが、「何か対策を万全にとって皆さんの行動を完璧にやれば感染の拡大は抑えられる」「第4波は来ない」という幻想があると思うんですが、そんなことはないです。当然に来るであろうものを、どうやって防ぐか、あるいは抑えるかというマインドチェンジが必要だと思うんです。「解除したからまた増えたじゃないか!」という議論になることは、すごく合理的じゃないし、建設的じゃないと思います。
垣花:それで政策を批判しても無駄なことだと。コロナがゼロになることはあり得ないということですね。
豊田:よく「ゼロコロナ」という言い方をされますけど、コロナはゼロにならないので。長い歴史で色んなウイルスがありますけど、人類が根絶できたウイルスは「天然痘(てんねんとう)」だけなんですよ。じゃあ「他のウイルスはどうなってるの?」って考えると、途上国に行けば、結核、コレラ、マラリア、HIVなどで毎年、何十万人も亡くなってるんですよ。日本も昔は流行ってたけど、ワクチンが普及したり、健康水準、医療水準、衛生水準が上がったりして、かかりにくくなり、かかってもなんとか対応することである程度、克服してきた。
垣花:結局コロナというものに対しても、ゼロにするのではなくて、なんとか封じ込めていくという、大きな“波”の流れの中でやってきたという。
豊田:そうです。いなくなったわけではなくて、日本はウイルスと共存しながら上手く対処できるようになっただけで、途上国では対処できていない地域もいっぱいあるので、そのリアルに目を向けて欲しいんですよ。
垣花:そこも忘れてはいけない。そして、第4波は来るもんだと思って過ごしていれば、いざ来ても一喜一憂することはないということですね。
豊田:もちろん「来るからいいや」ということではないんですが、気をつけていても、来るものだから「誰のせいでもない」と思わないと、あまり建設的ではないかな、ということですね。
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ふつーの男・沖縄県宮古島出身の垣花正がお届けする、ニッポン放送が自信と不安をもってお送りする朝のワイド番組!レギュラー・ゲストとのコンビネーションもバッチリ!今の話題をハッピーにお届けしていきます!